気持ち良い青空を拝みながらセブンのパーティーは峠を越えて国道41号に入りました。 予想していた国道の渋滞もほとんど無く、高山名物ハートブレイクヒルを全開で登り、少し進んだ所で渋滞にハマる。 ちょうど止まった反対車線にボロボロの車が置き去りになっていたので「このカーブの先で事故か?まぁ直ぐに抜けれるだろう。」と思ったら…完全に止まって動かない。 全開でハートブレイクヒルを越えて来ていただけに水温の上昇は激しかった。 悔しくも晴天! せめてもの救いは木陰だった事。 しかし606号の水温計は90度から一気に100度に至ってしまった。 「ヤバイ!動いてくれないと非常にヤバイ!」 100度からはファンが頑張ってくれていたおかげで上昇は抑えれていた。 そして悪夢は木陰を抜けて炎天下にでた瞬間におとずれた。 101…102…103…104…105…黄色い水温警告灯が光った。 「ヤッベー!凄っげーヤベー!」僕の心臓は喉まできていた。 少しづつは進んでいる。 パトカーの赤い回転灯が激しく見えた。 「やっぱり事故だ!」さっきのボロボロの車は放置自動車か? そんな事よりも水温計は105度を越えて106…107…108と上昇を続ける。 「こんな数字見た事ないよ!」と焦り続ける。 そのうちに油圧もグングン下がり、普通で1〜0.8ぐらいなのが0.4まで落ちてきている。 「こんな数字も見た事ないよ!」と自爆寸前。 そのうちマフラーからはパンパン火が出始めた。 終始アイドリングを維持していたがエンジンが止まりそうだったので時々回転を上げた。 バッテリーのチャージも14が普通なのに11しかない。 無情にも水温計は110度まで上がった。 もう僕は放心状態。 直ぐ真横にGSがあったから、エンジンおしゃかになったら置かせてもらおう! 爆発して燃えたら道連れだ! などと全てをあきらめた。 反対車線の直ぐ目の前には正面衝突して大破した乗用車が2台、標本のように置いてある。 泣いてる人も居る。 僕も泣きたい! 足の裏が熱い! 熱風でサングラスが溶けそう! 心臓は口から半分出た。 爆発までのカウントダウンはどれくらい進んだのだろうか?と思ったその時。 渋滞から解放された。 

 解放されたけど喜べない。 水温はなかなか下がらないし…エンジンの調子は凄く悪く、アクセル踏めばパンパン火を吐きながらガタガタと激しくノッキングしながら動く。 「早くエンジン冷やさなきゃ!」と順調に進めど渋滞の余波からは抜け出せない。 せせらぎ街道に入る交差点を過ぎてようやく道が開けた。 「エンジン冷却!バッテリー充電!」と叫びながらアクセルを踏み込む。 ところが、レーシングスクリーンにポツポツと水滴が! オーバーヒート? じゃない!雨だよ。 「うお〜!天からの恵み♪これで一気にエンジンは冷えてくれる。」と喜んだのも束の間。 ポツポツ降ってきた雨は一瞬にして集中豪雨に! 「ぎゃ〜っ!顔が痛い!もう十分冷えたから止んでくれ!」との願いも虚しく…集中豪雨は続いた。 

 前を走っていた単車のパーティもたまらずピットインするくらいの強い雨。 もちろん視界はゼロに近い。 助手席に置いてあるヘルメットを被ろうにも止まったら濡れると思い、歯を食いしばって走った。 嬉しいのか悲しいのか水温は80度くらいまで下がったよ。 僕の体温も激しく下がったよ。 せせらぎ街道を楽しむ計画は、まんま激しい雨に流された。 とにかく道の駅『パスカル清見』まで行けば何とかなると思い…歯ぐきから血がでるくらい歯を食いしばり進んだ。 正直…先回の日本平の雨なんて、今思えば降ってないに等しいぐらいの雨だった。 せせらぎ街道をどれだけ進んだかも、パスカル清見まで後どのくらいかも分からない場所でヘルメットを被ろうと止まった。 直ぐに今回初参加の△10さん夫婦のスーパーライトが横に並ぶ。 「!…幌もサイドカーテンもしてない!」 △10嫁さんの髪は鉄腕アトムよろしく状態。 だけど笑顔だった。 そんな笑顔に元気をもらって、ヘルメットを被り気を取り直し走りだした。 そしたら5分もかからずに道の駅パスカル清見に到着。 なんの為のヘルメット? 

 神風の如く雨の中に消えて行った#19さんが駐車スペースを確保して待っていてくれた。 ちょうど昼飯時だし、この雨で輪をかけて凄く混んでいた。 今朝は4時くらいから起きていて、これまでに腹に入れたものは『あゆアイス』だけ。 渋滞の暑さ&雨の冷たさで脳も異常をきたしてるので冷たい飲物と温かい食べ物の両方を一気に腹に入れたがっている。 何か食いたい。 だけど到着したのは幌無し3台だけ。 それにセブンも雨に打たれまくってて…この場からなかなか離れられない。 ついにはレーシングシューズも水を吸い込み始めた。 替えの靴も靴下も無ければ、替えのTシャツすら持って来てない。 それに買ったばかりのカメラも心配だし…何から行動して良いか分からなかった。 

 そのうちに幌を張ってて遅れたセブンのパーティが到着。 とりあえず無事に此処まで来れました。 レストランも30分待ちで…その間、着替えをしたり土産を買ったりして過ごしました。 僕は清里ツーリング組を待ち続けて、時間調整して過ごしました。 なんとかテーブルにつき、各自昼食。 とにかく麦茶で此処までの労をねぎらい乾杯♪ ザンザン降る雨の景色を眺めながらの昼食となりました。 そのうちに清里組の店主さんと#99さん(R−500トレーラー)到着&合流。 ほんの束の間の休憩で、雨の止み間をぬって記念写真を撮りました。 「止んでるうちに…」を理由にとりあえず此処で解散。 そしたらどう!5分も走らないうちに道が乾き、太陽が出てきてるじゃん。 

 そして次に606号に襲いかかってきた悪夢は…『ガス欠』 BBSに「日曜はGSが休みだからキチンと入れるように!」と強い口調で書き込んだ本人が今にもヤバイ状態。 国道に出る時に「左折したら関SAまでGSは無いよ」と言われ…急遽右折。 直ぐにあるだろうと思ったら全く開いてない。 燃料計は残り5Lを表示。 どんどん山の中に入っていくから不安になり、ぎふ大和ICを越えてしまい…白鳥ICを越えた辺りで残り3Lを表示。 今度は燃料計で万事休すかよ! と水温計で始まり…油圧計…電圧計と僕の心臓を煽り続けたスタックのタコメーター(しばらく見たくないからHPの表紙から削除しました。ついでにリニューアルしました。)が今度は燃料計で僕をイジメる。 「うえ〜ん墜落しちゃうよ〜!」とヨレヨレになってたらシェルのマークが…電気がついてる! 滑り込みセーフで33L給油。 そして白鳥から東海北陸道に上がり、追いつこうと全開で飛ばす。 そしたら朝降りた美並ICの手前から渋滞。 ???…僕の頭の上にある電光掲示板には何にも書いてないよ。 なにかあったの? と水温計を気にしつつ再び上の電光掲示板を見上げたら、見上げたと同時に『事故渋滞1km』だと! またまた全く動かないので水温も急上昇。 こりゃ降りるしかないと…ダラダラ進みながら二度目の美並IC下車。 朝は右折、午後は左折と…おいらはいったい何者?と思いながら次のICを目指したんだよ。

 美並ICを降りたら気温は30度近い状態。 下の道は流れてるいるもののダラダラとしか進まない。 まぁ止まって水温地獄に陥るよりはマシ!と少し走った所で東海北陸道を眺める。 「流れてるじゃん!」 渋滞は大した事なかったみたいで…失敗を感じた。 感じただけなら良かったが、失敗は現実となった。 やっぱり渋滞にハマる。 スキーに行った時にウンザリした覚えのある道。 まさかこんな時期に渋滞なんて予知できなかったよ。 もちろん水温地獄に片足つっこむ。 片足つっこんだまま美濃ICに着いた。 やっと…やっと帰れる! 朝の集合場所だった長良川SAを右手に全開で帰る。 喉も渇いたし、この先トイレも無いから関SAで小休止する事にしました。 帰っちゃった方もいましたが…数人待っていてくれました。 かなりの時間待っていてくれたに違いないのに…思考能力がゼロ以下だったので「ありがとう」も言えずに解散しちゃったような記憶が。 

 そこからは帰宅するまで順調に進んだけど、こっちの方は一滴も降らなかったどころか一日青空だったみたい。 喫茶店で「大雨でさ〜…」と話しても誰一人信じてもらえずに…さっさと帰って汚れた606号を洗ってあげました。 もう少し熱対策を考えないと8月の長野ツーリングは苦しいかな? 帰りの恵那の辺りは渋滞&雨のデンジャラスゾーンだもんな〜! 

 てな感じで皆さん御疲れさまでした。 上の記念写真はレンズに雨が数滴落ちて…良い雰囲気で撮れました。 いかにも「降ってました!」という証拠写真みたいな…。 すべての写真はプリントしてナイツに(7/4以降)置いてありますので是非御覧ください。 ネガもありますので必要な方は自由に使ってください。 BBSの【606】からメールいただければ画像を送信する事も可能ですので、気軽にどうぞ!

 本当に…お疲れさまでした。 by606
 
チキチキツーリング美濃・高山 (後編)