SL併走ツーリング 続編


画像提供:shige1710さん
 ビックリしながらステアリングを真っ直ぐに戻してる僕を左手にC11型機関車は追い越して行きました。

 (@。@)お爺ちゃんとお孫さんはどーなってしまったのか気がかりです。

 テレビドラマや映画とかで観るSLってシャカシャカシャカリキにスッゲー勢いで走ってるけど…  スッゲー遅い。  だからなのか余計に『迫力』があったのかな?  ゴジラが東京湾からゆっくり上陸するのと同じ。  SLも同じで、あれが速かったら味気ない。  『見せ場!』みたいなもんだね♪


 機関車が606号の右横を通過して僕達の目に飛び込んできたのは乗客の全員が手を振っている絵!  これには驚いたし鳥肌が立ちました。  運転しながら&手を振りながら&写真撮りながら走る606。  まるで中国雑技団。(良い子はマネしないように)

 ウエスト707さんから注意があったように、手を振りながら脇見運転を続けるとオカマを掘る危険があるから車間距離を必要以上にとって手を振りながら運転しました。  時々チラっと客車を見ると、向こうも僕達の写真を撮っている。  SLの乗客もセブンの僕達もスッゲー笑顔♪  セブンを運転してる僕らが笑顔になれるのは雨が降っていても日常なんだけど…  見てる相手側をも笑顔にしちゃうセブンってスッゲーよね!!


 それはそれは長い事手を振り続けました。  時々鳴らしてくれる汽笛に応えて僕達もホーンを鳴らします。  機関士さんと喋りながら併走している感じです♪
信号も無く、交差点も無く真っ直ぐの道をSLと併走して走った。  午前10時過ぎにはジャンパーが要らないくらい暖かくなっていたので蒸気機関車の蒸気の迫力はイマイチだったけど…煙と音はド迫力だった。

 およそ40〜50km/hで走るSL。  時間短縮(スピード勝負)で客室は豪華快適を追求しまくる昨今の鉄道。  SLってSEVENと相似すると思いました。
 そりゃあSEVENも速いと言えば速いだろうけど、絶対的なスピード(例えば最高速)とかなんてそれほど追求しない。  馬力だって有るに越した事はないけど気持ち良く走れれば十分だし…。

 豪華さなんてのも考えてないSEVEN。  快適性が無いのが素敵にさえ思えるSEVEN。  絶対SLと似てるよね♪
 最高速も無い!  華やかさも無い!  快適性も無い!  だけどSLと同じで存在感は有る!!
SLも維持をするのは普通の電車の何倍も大変。
テレビで見たけど、SLの点検&修理は知識のある専門の人達でなければできない。  いろんな事に感動しながらSLと一緒に走った。


 最後尾だと6両ぐらいあった車両の一番後ろの客車と終盤は併走になりました。  小さい子は最後の最後まで手を振ってくれていました。  少しずつ少しずつ離れて行くSL。  小さい子は身体を斜めにしながら手を振ってくれていたけど…  見えなくなってしまった。  併走し続けたけどYの字に別れて行った時に汽笛を聴いた。  これが一番感動したね。  SLが「またねーっ!」て言ってくれたみたいだった。


 SLの車両の最後尾は電力で後押しをする電車が牽引されていました。  C11型機関車が現役の頃だったら、こんなの必要なかっただろうに…。  人間味溢れるSLってやっぱりSEVENと同じだね。


 完全に見えなくなってからはツーリングのペースが速くなりました。  「SLは遅いから、こんなに速く走ったらダメじゃないの?」と思ったけど素敵なワインディングロードに夢中になってしまい、束の間のセブンモード♪  
 「ハイペースで走るのは僕達が遠回りしているからだな!」と自己解決。  確かにトンネルを使ったり真っ直ぐの線路と違って国道は山を越えるには上って下らなければなりません。  併走していた時のペースと全然違ったので笑えました。


 暫く走っていたら先頭のウエスト707さんが路肩に停止。  左のガードレール越しに線路の上にある架線を見つけたので、この場所でSLと再び合流する作戦だと直ぐに分かりました。
 結構長い時間待ちました。  やっぱりSLは遅い(^0^)  
 さっきまでは前方から聴こえていた汽笛が遠い後ろから聴こえた。  再びワクワクモード♪  上の画像のようにSLが登場!  この辺からは写真を撮ってる人を多く発見しました。  それだけSLが似合う景色になってきたという事ですね。


 SLが横に並んだら再び併走ツーリングの開始です!  今度は先ほどと違って進行方向に対してSLを左手に見ながらのツーリングとなりました。  また合戦の如く手を振り合いました。  客車とかなり接近した時に一人の乗客と目が合った気がしました。  手を振りたそうに手のひらだけコチラに向けていた。  なんとなくその乗客に向かって手を振ってみたら、喜んで手を振り返してくれた。  
 今までは無邪気に手を振っていただけなので妙な感じだったけど…  違った感動だった。

 再び併走ツーリングを開始したけど、併走できたのは僅か2分ぐらい。  またまたYの字に離れてしまった。  合流した時の楽しさ&喜びに対して離れて行く時は切なさを感じます。  まぁ、初めて走る僕らは何処かでまた合流すると思っているので、離れて行く時の切なさは報告書を綴りながら感じてるのですがね。


 桜の木が立ち並ぶ山道を下って直ぐのコンビニで小休止。
 「あの桜並木の花(桜)が咲くと桜のトンネルになるんですよ♪」とウエスト707さんが教えてくれました。  うわ〜ぁ♪それって凄い!  桜並木をセブンで走った事はあるけど…  何処でも路肩か歩道にしか桜はなかった。  中央分離帯と路肩に桜の木があったから間違いなくトンネルになるだろうな!  枝だけでもトンネルになっていたもん!

 「じゃあ次回は『SL併走&桜のトンネルツーリング』に決定ですね!」と…  桜が満開になる時期にまたツーリングをやる事に決まりました。  『鉄は熱いうちに打て』みたいな♪


 コンビニは何故かスッゲー混んでいたのでトイレ休憩もできないほどでした。
此処からはガンメタ7さんが先頭で、ウエスト707さんが予約してくださっていた食事処に向けて出発です。
 「ええ〜っ! 場所分からないよ〜!」と叫ぶガンメタ7さん。
 「看板があるそうだから大丈夫だよ。」と促すウエスト707さん。
 「じゃあウエストさん先頭で行ってよ。」と嫌がるガンメタ7さん。
 「僕も知らんて! 先頭は疲れちゃったもん。」と本音モードのウエスト707さん。
そんな会話が凄く面白かったです(^0^)
 確かに相手のないツーリングならそれほど辛くないだろうけど、SLと併せてのツーリングは大変だ!  

 ガンメタ7さん先頭でコンビニを出発しました。


 コンビニを出てからはSLの姿や音は微塵もありません。  既に次の電車に追い越されてます。  普通のツーリングなんだけど線路や架線が見ると『もしかしたら!』とSLの姿を探してしまう。

 先頭のガンメタ7さんは後続の様子に気を配りながら進んでました。  信号や低速車両でセブンが離れたら路肩に停止して隊列を組み直す気配りはウエスト707さん同様で優しいですね♪


 紅葉が既にピークを過ぎている山々は茶色。  冬の山景色だと思ったけど…  葉っぱが落ちればグレーになって、今度は真冬の山景色。  そして雪が積もれば雪景色。  雪景色を走るSLは昭和初期のモノクロの風景だろうなぁ〜…って想像しながら走り続けました。  雪の中をSLと併走して走るのはたぶん絶対無いと思うから想像だけで膨らませました。

 快適に山道を走っていたら食事処○○○○まで800mという看板を発見しました。  予約していた時間にピッタリ!  そして暫く走ったらちょっと狭い道になった所の右手に在りました。  しかーっし!  駐車場が無い!  狭い道路の左端でセブンのパーティーが止まったので後ろの一般車も対向車も動けなくなってしまった。  狭い道なのに観光バスとかも来ちゃうんだもん!

 店の人が裏の大駐車場を案内してくれたのは良いのだけど「真っ直ぐ行ってあの橋の手前を右に折れて裏に来てください♪」と言われても困っちゃうよね(^0^)  しかもガンメタ7さんは店を探しながら通過して行っちゃったし(^0^)

 長い事車が動かなかったのを見て何かを察したのか…  派出所の警察官が険しい顔をしてこちらに向かって来た。  「こりゃヤバイぞ!」  と僕らも察してとりあえず移動を開始した。
 警察官は動き出したセブンのパーティーを睨むように見送ってくれました。  せっかく派出所から出て来てくれたのだから「このお店の裏の駐車場って何処ですか?」って、この警察官に聞けば良かったね♪  漫才になっちゃうかな?


 言われた通りに橋の手前を右折。  橋の手前に派出所があったよ(^0^)  そしてさらに狭い路地を進んだらスッゲー広い駐車場がありました。  大井川の堤防の近くだったので砂埃が凄かったけど広い駐車場は助かります。  人通りが少ないから目を離しても安心でした。
 でもなんだかこの町は懐かしい感じがしました。  子供の頃の町。  昭和40年に戻ったような…  昔の記憶が甦る町だった。

 店の裏から表の入り口に行くには一人しか通れない幅の家と家との隙間を通り抜ける。  これもまた懐かしい。  小学校の帰り道はこんな狭い通路が大好きで、冒険しながら帰ったし…  昔住んでいた家も現在残っているチキチ基地も隣の家との隙間を通って裏や表の道に出ていた。  この町にはいくつも抜け道がありそうで嬉しくなった。


 そんなお店の中はもっと凄かった!  昔懐かしい自分で瓶を引き抜く自動(?)販売機がさも当たり前の如く店内に置いてある。  赤色のコカ・コーラの販売機はよく見かけたけど、黄色いペプシ・コーラの物はスッゲー珍しい。  正直欲しかった!  
 座敷には自然な感じでS800やベレットのプラモデルが箱のまま積み上げられていた。  最近のプラモデルではなくて、何十年も前の小さな箱に入った物でした。  さり気なくマイケル・ジャクソンのLPも置いてあるし(^-^)  戦国自衛隊ならぬ昭和第七小隊って感じ。  こんなに昭和を感じられる店って珍しい。  『昭和食堂』みたいに作り上げられた・飾られた『昭和』じゃなくて、そのまんまの平凡な『昭和』だった。


 自然薯料理が自慢!みたいな看板だったので、迷う事なく『自然薯定食』を注文しました。  メニューは他にも天ぷらや肉類もありました。  本当は自然薯よりも肉類が食べたかったけどね(^0^)  せっかく此処まで来たんだし…  少し胃を休めないとね!  肝臓も休めないと「イカンぞう」…なんてね。

 各自好き勝手に注文しました。  料理が運ばれてくるのを待つ時間も昭和を味わっていた606です。  触ったり弄ったりしてみたかったけど、壊したらマズイので眺めてるだけ。  目で楽しみました。


 数種類のメニューが一斉に運ばれてくるお店は大好きです。  店主さんの粋な計らいが見えますね♪  たまーに最初に来た人が食べ終わった頃にメニューが運ばれてくる店がありますが、これは白けます。
 それにしても隣の天重(天丼)は羨ましかった(>。<)
好き好んでは食べない自然薯だったけど旨かった!  「これは醤油じゃなくて味噌汁でといてあるね!」と言われて納得。  御飯にピッタリな味になっていたので驚きました。  美味しく完食!


 暫し御歓談の末に、僕は記念写真を未だ撮っていない事に気がつきました。
「今ならセブンが7台肩を並べて停まっているから、此処で撮らなきゃ次は無い!」と思ったので、一足先に店を出て記念写真の準備をしに行きました。

 皆が出てくるまでに素敵なアングルを決めなきゃ♪  と少し焦りながら小さな三脚を広げていたら次々と皆さんが戻って来てしまった。  セブン7台は上手く並んでいるんだけど景色が意味不明(>。<)  大井川の堤防の方が綺麗な景色だったけど…  また砂埃を上げて移動するのも酷だと思ったので景色を殺してセブンと仲間を中心に撮りました。
 せっかく修正してセブンを整列させたのにゴメンなさい。  2枚撮ったコチラ(↓)を使いました。


 食事処○○○○の駐車場を出て再び派出所の前を通って、来た道を引き返すルートです。  天気が良いからバイクのツーリングや観光バスも凄く多かったです。
 途中でセブンと1台擦れ違いました。  元気に手を振ってくれました。  
 手を振って挨拶したり笑ったり…  知らない人といっぱい出会えた感じ♪  なんだか心が温かくなれますね。


 途中、ツーリングのペースが落ちて…  そのうちに止まってしまった。
「なんだろう?」と思ったら左に千頭駅(終着駅)から戻って来たSLが駅に停車していた。  千頭駅から金谷駅に向かうSLは客車が先頭でC11型機関車が後押しをする形。  もっとも電車が先頭から引っ張ってますがね。

 駅で停車していると、風が無くて穏やかな午後なので煙が辺り一帯に漂っています。  まるで霧みたい!  野焼きの煙は「勘弁してくれよーっ!」て感じですが…  SLの吐いた煙なら嬉しくなっちゃう!  鼻が壊れている606なので石炭の焼ける匂いを確認できなかったのがプチ残念。
 またSLに出会えて嬉しかったけど、これが今日の見納め。


 それからはペースカーが入れ替わり立ち代りで低速走行を強いられて眠くなったけど、見慣れない景色が眠眠打破の代わりになってくれた。
心配していたガス欠もなんのその!!  結構な距離を走ったけど燃費に優しい走行だったので燃料は全然減りませんでした。

 再び桜のトンネルを通過して、SLを待ち構えていた空き地を通過した。  SLを待ち構えていた空き地は、ごく平凡なただの空き地だったけど…  何年、何十年経ってもこの空き地は映画スタンド・バイ・ミーの主題歌が流れ続けているに違いない。  通過する時に胸がジ〜ンときた。
 あのお爺ちゃんとお孫さんはどうなったのかな?  お孫さんはSLを見れたのかな?


 国道1号線バイパスに上がって集合場所だった道の駅/掛川まで戻って来ました。  道の駅/掛川がなんとなく家に思えた。  現実に戻った感じ。  非日常から日常に戻った感じがした。


 SLと併走するのが目的のツーリング。  『大人』な奴らから見たら「くだらない!」と思われるだろうSL併走ツーリング。  僕はスッゲー冒険ができたと思う。  昭和の景色も多くて…  本当に12歳の頃に戻れた。  12歳の頃が懐かしくて、あの頃に戻りたいと強く思った。


 でも12歳の自分に戻る事なんて不可能。


 だけどね…  12歳の気持ちを持ち続ける事は可能なんだよね!!


 毎回なんて無理。  でも常に毎週日曜日だけは12歳の気持ちで、好奇心旺盛な自分でセブンに乗りたいと思った。
 ウエスト707さんの若さの秘訣を少しだけ知った2008年11月23日。  少しだけ自分が大きくなれたような気がする日曜日。


 帰り道は朝からの余韻に浸りながら、ゆっくり帰った。  かっ飛ばして帰りたいなんて少しも思いませんでした。
SLの優雅さ…  存在感…  迫力…  素晴らしい景色…  幼い頃の景色…。
 今こうしてPCの前で目を閉じても全ての感動とたくさんの思い出が甦るほどです。

 今回のツーリングを企画してくださり、雨の中を下見に行ってくださったウエスト707さん・ガンメタ7さん・くらしっくさんに感謝します。  サポート&撮影に専念してくださったshige1710さんに感謝します。
本当にありがとうございました!!
 次回は春!
 『SL併走&桜のトンネルツーリング』を楽しみにして、寒い冬をのり越えます。

 2008年のチキチキツーリングも来週で終わり。  晴れたらイイね(^-^)

by606


スタンド・バイ・ミーな仲間達