ミニの耐久レース 第4章 後編
 おじゃさんは、どうやら20秒のピットストップをする場所とドライバーチェンジをする場所を間違えて入ってしまったらしい。  パイロンで仕切られてるだけで隣合わせになってるので間違えやすいとは思うけど…   一旦入ってしまってはドライバー交代をして出るしかありません。  ここでの20秒のピットストップは受け入れられませんでした。


 なにも準備してなかった#19弟さんは大慌てでヘルメット被って乗り込んでコースイン。  この先はどういう作戦になったかは知りませんが…最後まで走り抜いてチェッカーを受けました。  
 こうやって決勝レースのタイムスケジュールがズレると、変てこりんな錯覚が起きるけど…ゆっくりとレースを楽しめる事がわかりました。


 1000ccノーマルクラスのレースが終了して落ち着いたところで昼飯です。
ここで配られる弁当は美味しいしボリュームもある。  まだ少し寒いので、今回はインスタント味噌汁を用意しました。  さすがに次回の6月は冷たいお茶でOKかな!  

 お昼ごはんを食べながら、おじゃさんの誕生日パ〜ティ〜を行いました。  peroさんが作って来てくださったケーキにローソクを立てて火を吹き消したり、プレゼント渡して盛り上がったyo~  近所のおもちゃ屋さんで買ったRCヘリコプターをとても気に入ってもらえて良かったですわぁ♪  僕らのレースも終わっていればノンアルコールビールでも飲みながら、もっと気楽にパ〜ティ〜できたけど…わずか10数分の宴で耐久レースの準備に取り掛かりました。


 昼飯&宴の間はフリー走行。  ずいぶん気温も上がって路面温度も上がっているはず!  予選終了時にタイヤの空気圧を調整しておきましたが、さらに0.1ほど抜いておきました。  なんたって午後1時スタートともなれば一番気温が高い時間帯。  まぁそれほど拘りや細かいセッティングはないインジェクション車なので楽なほうです。  1300ccキャブのマシンはボンネット外していろいろ調整したり点検してたけど…チキチキミニはほぼ放置。  オイル漏れも無く…至って良い子です。


 今回の走行順は、僕が無い頭をフルに働かせて考えた順番。 アダムさん⇒△10さん⇒606⇒child7さんという体格順!!  面倒なシートベルトの調整を省いて、シートを前に移動するだけでドライバーチェンジが出来るという作戦です。  ふふふ(^-^)  これぞチキチキ時間差攻撃!!  まぁ…この作戦が閃いたのは、ただ単に新しく取り付けた(見た目重視だけで交換した)新しい4点式のシートベルトの長さ調整が難しかったので、どうしたらシートベルトの調整をしないで済むか考えてたらこうなっただけの事です。  これは逆順も可能だし、ランダムな順番でも上手くやればOKなので、毎回取り入れたい作戦です。


 4人で交代と言う事は誰かが2回走るか、誰かが一度20秒のピットストップをしなければなりません。  アダムは初参加で要領が難しいと思うので、他の3人の誰かが行えば良いという作戦も考えました。  僕がやりたかったので、最初から僕がやると決めてましたが… だって目立つしカッコイイもん♪  皆に見て欲しいもん♪  ステアリングから手を離してからは両頬を人差し指で可愛く差して20秒待つ作戦も考えていたほどです。  なにかアクションほしいじゃん!

 さらに90分を
5人で割れば18分。  16分でラスト2周を呈示して、18分弱でドライバー交代するお約束的作戦です。  赤旗もトランシンバーでピットインしない信号を送信する作戦で、今回はペナルティ無し&ロスタイム無しで90分無事完走を目指します。  606的には過去3回参加して犯した失敗や、上手くいく方法を模索しての完璧な作戦だと自負してました。


 そして午後1時にシートを一番遠くに下げてアダムが乗車したチキチキミニがコースインしました。  13番グリッド。  いつもなら17番グリッド前後なので、妙に違和感のある位置です。  後ろには2台だったはずが3台並んでる。  予選に参加できなかったマシンが1台増えてました。  いつもながらチキチキはグリッドで盛り上がってます。  他のチームはドライバーとエンジンや補機類の調子や作戦の最終打ち合わせを行っているのに… わーわー騒ぎながら写真撮って遊んでます。

 英国ではバイクや4輪でレースをやっていたアダムだけど、ルールはサーキットごとに少し違うから…スタートシグナルの説明をしました。 「赤が出て青に変わったらスタートだからね♪」と英語と日本語50:50で説明して、「ウン!イギリストイッショネ!」と理解してくれましたよ。

 そしてコースから全員出てフォーメションランが開始されました。 (良かった〜…フォーメションランを決勝スタートと勘違いして全開で1コーナーに突っ込まなくて)  何から何まで冷や冷やドキドキです。  仲間から「何を一生懸命教えていたの?」と聞かれたので「赤が消えて青になったらスタートだよと教えた。」と言ったら、「赤⇒青スタートじゃなくて、赤⇒ブラックアウトでスタートだよ!」と言われて僕は大焦り!
 フォーメションランを済ませて再びグリッドに並んだアダムに赤いジャンパーを見せて、直ぐに裏地の黒を見せてスタートだよ!! とジェスチャーで説明しました。 軽くうなづいたアダムだったけど…  若干スタートが出遅れて90分の耐久レースが始まりました。  すまん!アダム。


 とりあえずアダムはマイペースで周回を重ねます。  暖かくてとても平和な耐久レースになりそうでした。  でも…モンスターマシンとの混走という事で直ぐに周回遅れとなります。  ギャンギャン抜かれます。  モンスターマシンにしてみれば『いかに上手くノーマルマシンを抜くかが味噌』だったと思うから安全な場所で安全に抜いてくれます。  しかし複数台のモンスターマシンがバトル状態で追いつかれた時は口から心臓が飛び出そうな光景の連続でしたね。


 残り74分でラスト2周のサインボードを出しました。  第2走者の△10さんはヘルメットを被って準備を開始。  そしてピットインのサインを出してアダムがドライバーチェンジをする場所に戻って来ます。  場所を間違えないように僕は誘導しました。  運良く交代場所はクリア!  アダムが停止線まで来たところでドアを開けてエンジンを切ります。  交代要領はシートポジションは密かに練習済み!  素早く△10さんと交代してコースインしました。  △10嫁さんは「イエローラインに気をつけて! イエローライン跨がないように!」と叫んでます。  よっぽど前回のペナルティが悔しかったのでしょう。


 △10さんはコースインと同時に全開で良いタイムを叩き出してました。  中盤にはチキチキミニ史上初となる54秒台を出しちゃった♪  かっちょええ(>。<)

 そんな折…  △10嫁さんとperoさんから「次の交代時間は何分ですか?」と聞かれたので、74分から16分を引いた『残り時間58分』にラスト2周のサインボードを出すように頼みました。  次は僕だから56分から16分引いた『残り時間40分』にラスト2周を…  あれ?  child7さんが最終走者だったよね?  40分近く走るワケ?  あれれれ???


 この時にやっと僕は大きな計算ミスをしてた事に気がつきました。  90分を
4人で割らなければイケナイのに、5人で割っていた!  とりあえず絶好調の△10さんには25分ぐらい走ってもらおう。  僕も少し長く走りたかったけど予選で結構体力を消耗してるから困った。  child7さんは長く走りたくなさそうだし…  いろいろ考えた余裕の作戦も1つ間違えた為に大パニック! たった16分しか走れなかったアダムよ… 本当にすまん!


 そしてラスト2周のサインボードを出して僕はヘルメットを被りました。  しかしチキチキドライバー要員は僕しか居ない。  アダムは着替えに行っちゃてるし、child7さんは昼寝してるし、△10さんは走行中だし…  えらいこっちゃがなぁーっ!
 配達号で昼寝していたchild7さんを起こしに行ったけど見当たらず… どこを探しても発見できず…  諦めかけていた時に1コーナー付近でレースを観戦してるchild7さんを発見。  おじゃさんが呼びに行ってくれました。  目立つレーシングスーツだったので発見できました。


 △10さんとドライバーチェンジをしてコースイン。  「イエローラインに気をつけて! イエローライン絶対跨がないように!」と窓を閉めてても△10嫁さんの叫び声はよく聞こえました。  これでイエローラインを跨いでペナルティ喰らったら、間違いなく殴られる。  イエローラインを叩いて渡る。  イエローラインを指差し確認しながら通過しました。  心配だったのでヘアピンコーナーまでキープレフトでしたよ。


 どんなに頑張っても54秒台は出ず…  コーナー入り口を睨むよりもバックミラーを睨んでいた方が多かったわ。  予選でモンスターマシンとの絶対的スピード差は確認していたけど、予選とはオーラが違ってたからスッゲー怖かった。  でも強引な抜き方をしなかったので感謝してました。 606の運転なら強引に抜かなきゃいけないステージにはならないだろうし…。  普通に抜かれた! って言うのが正しいかな♪


 しかし暑かった。  一生懸命遊んでかく汗は大好きだけど… 汗が目に入って痛い。  メガネしてる事を忘れてシールド開けて汗を拭ったらメガネが目にめり込んでスッゲー痛かった。  集中力も欠け始め、疲れも出てきた頃にゼッケン58番に少しずつ接近してきた。  55(HN)さんのMINIKOレーシングさんのマシンだ!  なんとか追いつきたい!  なんとか追いつけた!  なんとか抜きたい!

 面白いレースになり始めた時にピットインのサインボードを確認。  ラスト2周のサインボードはゼッケン58番ばかり見ていて見落としていた!  なんとしてでも抜きたかった。 ゴメン… サインボード無視しました。  ゼッケン58番を抜いてから戻るつもりでコントロールタワーを通過。  しかしドライバーチェンジの準備をしてくれてる仲間の姿を見て反省。  無理せず2つ目の定状円コーナーまで追いかけて、左にウィンカーを出してピットロードを進みます。  ピットインを無視しちゃったので、交代場所が混んでない事を切に祈りながら帰還。  空いてて良かった♪


 一生懸命に追いかけてると汗が目に沁みても痛くないから不思議。  集中力って凄い力だね!  でもピットロードを走ってる時は目がスッゲー痛かった。

 child7さんとドライバー交代して△10嫁さんの「イエローラインに気をつけて! イエローライン絶対跨がないように! お願いだから気をつけて!」という叫びを耳元で聞きながらchild7さんを見送りました。
 見送った時の残り時間… なんと30分。
child7さんにはチェッカーを受ける際にパッシングをするように強要したけど、30分は無理だろうから体力の限界を感じたらジェスチャーで合図してもらうように言っておきました。


 child7さんも55秒前半で周回を重ねます。  楽しそうに走ってるし、モンスターマシンに挟まれながら1コーナーに入っても引けをとらず…アウト側のモンスターマシンがスピンしそうになるくらい熱い走りを見せてくれました。  僕らは何度も背筋が凍る思いでした。
 15分を経過してもchild7さんの熱い走りは衰えず…  このままチェッカーを受けさせたかったけど、もう一回はドライバーチェンジか20秒のピットストップをしなければならない。  計算ミスをしちゃったから悩むよ。

 30分走らせるのはヤバイと判断して残り10分でピットインのサインボードを出しました。 ゴメン!child7さん! 次回こそはチェッカー受けていただきますので許してね。
ちゅー事で目立ちたがりの僕(最近はプチ自粛)がラスト8分を走りました。
 なんとか54秒を出さないと持ち主の株を維持できません。 が… タイムは落ちるばかり。  疲れと集中力の低下… それに今無理をして完走できなかったらヤバイもん!  大事に走ったよ。

 後ろから追いかけられてる事も知らずに…。

 バックストレートを走ってる時にチェッカーフラッグを確認しました。  最後の最後までキッチリ走ろうと頑張りました。  最終コーナーを立ち上がってパッシングスイッチを探しました。  間違えてウインドウォッシャー液を吹き上げたり、ワイパー動かしたらカッコ悪いもん。  できれば皆の直ぐ横を走り抜けたかったですが… これは次回child7さんにやって頂く事にします。


 チェッカーフラッグを受けた時点で無事完走。
 4戦4完走(完走率100%)です♪  これも単にナイツブリッヂさんで妥協のない整備(&妥協のない請求書)を受けたおかげ!  無事に完走できれば全て報われます。  腰を痛めながらオイル交換したり、黄砂の降る中で洗車したり…  『お疲れさま〜!』の一言で全て報われる。


 ピットに戻ってひとしきり盛り上がった後は即撤収!  本当なら午前中にレースが終わってるはずだったから早く帰らないと打ち上げの為に予約した中華料理店に遅れてしまう。  さっさとトランスポンダーを返却してトレーラーにチキチキミニを載せました。
 載せてる最中にMINIKOレーシングさんの55さんから「チキチキさんを抜かなければいけなかったのに抜けなかった。 もしかしたら3位かも知れませんよ!」と言われた。
 確かに7台中2台がメカトラブルでリタイアしたのは知ってるけど… だからと言って表彰台はないと思ったし、終了間際にドライバーチェンジをしてるのでMINIKOレーシングさんよりも順位は後ろだと思ってました。

 って言うよりも…  順位も周回数も全然気にせずに走り続けていたチキチキだったので、「3位かも知れませんよ」と言われてもピンときませんでした。  チキチキレディースの2人からも「何位ぐらいだろうね?」と言われたけど… 「たぶん4位だと思うよ」と返事してました。 でも小さな声で(期待させないように)「もしかしたら3位かもね♪」と言っておきました。


 チキチキミニをトレーラーに積んで、テントを片付けて荷物を積み込んで撤収完了!  おおっと〜宴会開始まで1時間半。  今から出れば余裕で中華料理店に入れます。  
 いつも表彰台にはほど遠い順位だったので、リザルトには興味なかったけど一応は順位を知っておかねばと掲示板を見に行きました。


 「やったじゃん3位だよ!」と誰かに言われた。  ちょっと驚き!  リザルト見てもチューニングクラスと混走だったので正確な順位が分かりません。  たくさんの仲間が調べて説明してくれました。  いつもは『目指せ棚ボタで表彰台!』というノリだったのが、いざ現実に表彰台をゲットすると…単なる『寝耳に水』です。


 表彰式は嬉しいけど打ち上げ開始の時間には絶対に間に合わない(>。<)  『見た目重視のマシン』 『打ち上げ重視のドライバー』のチキチキとしては嬉しいやら困ったやら…。
 3位を確信した時点で予約した中華料理店さんに5時からの予約をキャンセルする電話をしました。  キャンセルしたけど必ず行くから、また予約の電話入れますと予約ならぬ約束しておきましたよ。  これでプチ一安心。


 なんだかんだとバタバタしたり、1000ccノーマルクラスと1300ccノーマルクラスと時間がズレてしまったおかげで記念写真が撮れず終い。  ピットで撮ろうと思ったけど背景が殺風景。  集合かけたけど各ピットとテントの位置が二等辺三角形だったので声が届かず。  次回は必ず最高の記念写真を撮るぞ!  何度も何度もゴメン。


 表彰式は打ち上げ開始予定時刻だった午後5時に始まりました。  1000ccノーマルクラス耐久は24台の参加という事で6位まで表彰されてました。  1300ccノーマルクラス耐久は2位までだったらどうしよう??と思いましたが、無事に名前を呼ばれて安心しました。

 キックボードレースで一度上がった事のある3位の表彰台。  child7さん、△10さん、アダムさんと僕の4人で上がりました。  本当は△10嫁さんもperoさんも上がってほしかったです。  可愛いトロフィーを頂きました。  スッゲーたくさんの副賞も頂きました。  ちょっとばかり誇れる瞬間だったと思います。  が!  僕はこの後の打ち上げの段取りが頭から離れません。


 表彰式はまだまだ続くし、じゃんけん大会も魅力的ですが… 『打ち上げ重視』のチキチキはコソコソと撤収を開始しました。  (ここでも)ゴメン!伊藤代表様m(_ _)m  貰うモノだけ貰ったら用がないワケではありません。  中華料理店さんとの約束があったので撤収させていただきました。(苦しい言い訳だけど、本当だもん)  また受付に差し入れしますから許してね。


 美浜サーキットを後ろ髪引かれる思いで後にしました。  脱出したら予約の電話を即しました!  「1時間後に8名で行きます。 面倒かけて悪いけど、たくさん食べてたくさん飲むから許してね!」と…。
 中華料理店さんには予約時間の10分前に到着。  スッゲー行列ができてましたがチキチキの席は確保されており90分遅れで宴を始めました。  今度ここの店の屋号を背負って走ってあげよう♪ (←いらん世話かな?)  だって美味しいし感じのイイ店だもんなぁ!


 今日も明るくなる前から暗くなるまでよく遊んだ o(^-^)o  
ちょっぴり考える事。 反省する事。 後悔する事が個人的に多かったけど… 素直に3位を喜び、表彰台に上がれた事を喜びたいです。


 次回『ミニの耐久レース第5章』は6月1日/美浜サーキットです。  更に上を狙うのではなく… いつまでも『楽しく無事完走』を目標にワイワイ騒げたらいいなぁ〜♪
 今回も無事に完走できた事は、ここまで読んでくれた皆さんの応援のおかげです。 ありがとうございました。
 
by606