チキチキミニに襲い掛かったアクシデントはピットからも観客席からも全く見えない場所で起こっていました。 
「事件は見える所で起きてるんじゃない! 見えない所で起きてルンバ!」って何かの映画の名セリフ。 バックストレートから度胸一発プチ段差のあるプチ下りの右コーナーでHage73さんが3速から2速に入らなくて失速してる隙を狙って後続のマシンがインを差しに来た瞬間… チキチキミニの右リアに左フロントがHIT! コーナリング中に当ったので操作不能のままイン側縁石をのり越えてダートに突入。 「お"お"ーっ! なにすんじゃあっ!」という喘ぎ声を発したかどうかは定かではありませんが… そのまま草むらをかすめて、グラベルではなくて、土だったので惰性で脱出してコース復帰。 目で見える壊れた箇所はフェンダー1枚とボディの凹みだけだったけど…足回りはかなりのダメージを受けていたみたいで、そのまま最終コーナーからピットロードに進んできました。

 ピットロードをダラダラ走ってるチキチキミニに似たのが来るなぁ〜ぐらいにしか思ってなかった景色。 だんだん近づいて来て「あれぇ? うちらのミニやん!」と驚いて駆け寄ったら、「スマン〜! 当てられた〜! いろんなところから凄い音してる! 大丈夫かなぁ?」と冷静さをプチ失ってるHage73さんがいた。 
 今さら壊れたところで後には引けぬ! ナイツ店主さんは「そのまんまイケーっ!」と激を飛ばして再スタート。 走れない事はないみたいだけど…タイムは上がらない。 
 僕はフェンダーの破片を両手に持って幽体離脱。

 その後で直ぐに接触した相手の方が謝罪に来られました。 レース(サーキット)ではお互い様です♪ こちらも頭を下げるのがフェアな精神です。 フェアじゃないのはスターティンググリッドで『くたばれ』のサインを出し続けてた奴ぐらいかな! 態度悪い奴… (T。T)だから違うってば。

 このままレースは順調に流れるかと思ったら、あのバックストレートから度胸一発プチ段差&プチ下りの右コーナーで2台が絡んだ。 1台は完全にスポンジに張り付いてる。 直ぐに赤旗が振られて、このレース2度目のペースカーが入りました。 1周ローリングした後でコース上に全車停車。 長い待ち時間でした。(その時に撮った画像が前編の画像です)

 Hage73さんの時が一番危険な時間帯だったという事をHage73さんが身を持って教えてくれました。 Hage73さんが! Hage73さんが!!

 時間は無情に過ぎていくばかり。 タイムキーパーの△10さんから「このままHage73さんを17分走らせたら、Z4さんの走る時間がなくなっちゃいますけど…」という意見具申。 これは困った。 せっかくこの日の為にヘルメット・レーシングスーツ・レーシンググローブ・レーシングシューズを揃えて来てくれたZ4さんだったのに… 『時間切れ』では『ブチ切れ』必至。  僕はラスト2周のサインボードを出すように指示しました。

 Hage73さん2度目のPIT INでZ4さんとドライバーチェンジ! 交代の手際も回を増すごとに上手くなってきてます。 イイ感じでZ4さんコースイン! これで5人乗れました。 ノルマの竪琴は果たせた。 壊れたので『無事完走』という目標は消えたけど… 『完走』という目標はZ4さんに委ねられてる。 Z4さんも練習の成果を遺憾なく発揮してて速かったです。 僕も後はZ4さんのゴールを見守るだけだったのでハイテンション。 ぐっちっちチームがドライバーチェンジの為に待機してる中学の後輩プリントアーツさんに蹴りを入れたりして遊んでました。

 「いや〜なんとか無事に終わりそうだね〜!」という雰囲気の中で、誰かに「あの電光表示板でカウントされてるタイムは何の意味があるのですか?」と聞かれた。 僕はそれまで見た事がなかったけど… カウントダウンされてるタイムを見て直ぐに背筋が凍りつきました。 「もしかしたら…あれが正式な残り時間なのでは?」

 【テンパリハイスクールR&R第5章】 僕は大慌てで、さっきロスタイムの事を尋ねたオフィシャルの方に聞きに行きました。 「電光表示板でカウントダウンされてるタイムが残り時間なのですか?」と…。 そしたら笑顔で「そうですよ」と…。 (`ゝ´)なんじゃそりゃあ!
 僕は全身凍りつきました。 Z4さんが走って10分以上過ぎてる。 それなのに残り時間は15分以上もある。 Z4さんにゴールを委ねたのに…このままチェッカーフラッグまで走らせたら30分以上走りっぱなしになってしまう。 考え… 悩んだ末に出した答えは『Z4さんに20分走ってもらって、ナイツ店主さんにゴールまで走ってもらおう!』というもの。 ところがナイツ店主さんには呆気なく断られ、僕が走る事になった。

 まさかの第6走者! まさかの5回目のドライバーチェンジ! まさかの6回目のピットイン! 
 Z4さんには想定外のPIT INのサインを出すハメに… Z4さんも驚いたそうです。 申し訳ない。 

 ナイツ店主さんにドライバーチェンジの手助けをお願いして、僕は指定された交代場所でZ4さんを待ちました。 チキチキミニよりも先に、ぐっちっちチームのミニが入って来たので少し下がって待っていたら、突然ぐっちっちミニが水蒸気を噴き上げました。 オーバーヒートです! 危険だったので交代場所からピットまで移動。 なぜかナイツ店主さんも行ってしまったのでドライバーチェンジを手助けしてくれる仲間がいなくなってしまった。 【テンパリソーダ第6章】 店主さんを大声で呼んでも、ぐっちっちミニのエンジンルーム眺めてるし… そのうちにZ4さんが帰還。 予期せぬ突然のドライバーチェンジでZ4さんも慌てたので「エンジン止めてください!」とオフィシャルの方に注意される始末。 誰が手助けしてくれたのか全く分からない状態で… 僕はシート位置の調整もしないままベルトで固定されて出撃。

 先ほど存在を知ったばかりの、残り時間を示す時計を見たらあと8分。 1コーナーを抜けてヘアピン手前でブレーキ踏んだら効きが超悪いから止まりきれずにアウトに激しく膨らむ。 続く左回りのR20定常円旋回を走ってる時に足回りから悲鳴が聞こえた。 尋常じゃない音。 しかもコーナーで踏ん張れないからバックストレートでスピードが出ない。 コーナー遅い。 ストレートも遅いとなっては万事休す! もちろんブレーキもダメ。 最終コーナー手前の右回りのR20定常円旋回では足回りから悲鳴は聞こえないけど、タイヤが完全に無理をしている状態。 これも尋常じゃない音と振動だった。 シートポジションも一番遠い状態だったので両足が踏ん張れない。 

 なによりも辛かったのが握力が無くなっていた事。 故にウッドのステアリングでは力が抜ければ直ぐに滑る。 何度も多角型コーナリングになってしまった。 

 他のマシンよりも2回も多くピットインしてるから頑張らねば! だけどミニは足腰がキツそう。 ラスト数分… 完走する事だけを考えて無理をしない事にしました。 『完走』というツマミで旨い酒を飲むのが夜の楽しみだったしね♪ でも抜かれるのは嫌だったから精一杯走ったよ! どのミニも頑張ってる。 それは走ってて分かりました。 結構『酷』なレースだよなぁ! これが『耐久』なんだよなぁ!

 そしてメインストレートから電光表示板の時計を見たらラスト20秒。 
 【テンパリ歌第7章】(ちょっと難しいボケなので…テンパリ歌とは手鞠歌の事ね!) ゴールはヘッドライトを点灯するのがカッコ良いと思い、左手をスイッチに伸ばしたけど… 届かなかった。 ベストポジションに座っていれば楽に届くはずだったのになぁ! 仕方ないから軽くホーンを鳴らそうと思ったけど… ホーンボタンが何処にあるのか知らなかった。 そんなこんなしてるうちにチェッカーフラッグが見えた。 僕はチキチキミニをレコードラインから大きく外して皆が手を振ってる場所に近い所を通過しました。 慌てていたので「ちょっとすみませ〜ん」みたいに左手を上げる事しかできなかったのがプチ惨め。

 誇れる成績じゃなかったので、走行会が済んだ程度の雰囲気でピットに戻ったら、皆さんスッゲー盛り上がってて嬉しかったです。
やっと終ったという達成感と完走できた満足感を一度に味わえるのは気持ち良いです。 とりあえずは電光表示板の時計の存在に気がつくのが遅れた事をチキチキミニから降りて直ぐに謝りました。 謝ってすぐに「うぉ〜っ!」て盛り上がってる中に入れていただき…プチ涙♪

 とりあえずピットで盛り上がり続け… 早朝から殆ど何も食べてない僕らは△10嫁さんが作って来てくれたサンドイッチと、えりざべすさんとperoさんが作って来てくれた、おにぎりをスッゲー美味しく食べて…ガキのように仮眠しました。 寒かったし… 疲れたもんね。 だけど日差しは強かった。 車の中はとても快適でした。

 結果は23台中18位。 
 そのとき何処からともなくドラマ『スクールウォーズ』のテーマソング『HERO』が聴こえてきた。 まるでドラマの初回にラグビーの試合で大敗した時と同じような雰囲気。  熱血滝沢先生(山下真二)は見当たらなかったけど… 誰が大木大助(松村雄基)? 誰が山崎加代(岩崎良美)? 誰がイソップなんだろうか!
 帰りに川浜高校前の梅宮辰夫さんと和田アキ子さんが経営するラーメン屋『新楽』に寄りたい雰囲気。
 またまた何処からともなく「愛嬌!愛嬌!」と坂上二郎さんの声も聞こえる。
 やはり基本はマークジョンソンの『エンジョイ ラグビー』をそっくり『エンジョイ耐久レース』と置き換えたいね♪

 というワケで… 川浜高校前のラーメン屋『新楽』はフィクションなので、ホンダクリーニング店前の焼肉屋『文化亭』にて皆で健闘をたたえ合いながらガンガン食べて、ガンガン飲みました。 此処では90分どころか…4時間の耐久レースでしたけどね♪

 次回は来年3月ぐらい。 また盛り上がりましょう(^0^)/  by606
 
MACHI BOX JAPAN SPIN OUT 90耐久レース 後編