自分の部屋以外で、これほどリラックスして眠れた事…今までなかった。 目覚ましは7時半にセットしたのに、目が覚めたのは午前5時。 体内時計というものは不思議なくらいよく働く。 不必要なくらい働くね! 一度目が覚めたら二度寝できない606は起き上がって窓の外を見る。 「げげ! 雲が多いじゃん!」と少しブルーになる。 やっぱり台風14号の接近で天気は不安定なんだろうか? こりゃ船に乗る頃は雨かなぁ! などと落ち込みながらテレビの天気予報を見る。 チャンネルが多い事に感心しつつ…ローカル番組で大分周辺の天気予報を発見して食い入るように見た。 「大分県は全般に安定した晴天となるでしょう! 降水確率は1日を通して0%です。」 降水確率0%…どれくらいぶりに聞いた言葉か! 一気にテンション上がり、コーヒー飲まずしてカフェイン効果炸裂状態。  早速606号の峠前点検を実行するため外に出ました。

 点検と言っても特にないけど… やっぱりキャブのファンネルが気になるので、フィルターを外して点検してみた。 ワイルド&タフな針金君は「まだ任せとけ!」と言わんばかりにバロームクロスしていた。 オイル漏れも水漏れもなく、軽く外観をタオルで拭いて完了。 そのままoceanさんの家から下った所にある別府温泉(鉄輪温泉街)へと散策に出かけました。
 狭い道を下って行くと浴衣で朝風呂に行く人達と大勢行き会い、どの人も「おはようございます!」と挨拶してくれて、風呂に入ったみたいに心温まりました。  僕はテレビでよく見る温泉卵が食べたくて探し歩いたけど見当たらず… プチ暑くなってきたので延々と続く坂道を登り続けて帰りました。 

 午前7時半ぐらいに「眠れましたかーっ?」と元気にoceanさんが登場。 「ばっちりです! ありがとうございました!」と、おはよう代わりに挨拶しました。 間髪入れずに出走準備。 oceanさんのガレージを拝見して…溜め息。 理想だぁ! アイスコーヒーを飲みながら再び眺めて…溜め息。 理想だぁ! 

 oceanさんのセブンも僕と同じ1700BDR。 どちらもチューニングはされておらず、まったくのノーマル。 アイドリングの回転数が違うせいか音が違うのが分かった。 目を閉じてどちらが606号か判断できる。 それは国産乗用車ではマネできない『味』だと思いました。 乗り方や微妙な事で同じエンジンでも明らかに音の違いが出るのは凄く楽しい♪ 
 ほどよくオイルを温めて出発。 温泉街で白と黒の2台のセブンは目立ち過ぎる。 公道に出てしまえば同じエンジンでお互いの排気音は打ち消され気味になる。 信号が青になってoceanさんがスタートした時は…やはり同じ心臓! BDRサウンドは真後ろの606号にダイレクトに響く。 朝の空気が新鮮で、乾いてるからお互い調子良い。 BDR交響楽団(略してB響)と言っても過言ではない。 アンサンブルオーケストラにも似たサウンドをのんびり楽しむのかと思った瞬間、oceanさんが加速!

 登りの山道に突然現れた追い越し車線。 一気に見えなくなってしまった。 「おいおい!何処まで追い越し車線が続くのさ!」と慌てて追いかける。 いきなり迷子にはなりたくなかったし、次のコーナーがどんな感じかも分からないから必死に追いかける。 後ろには慣れ親しんだ道であざ笑うかのように乗用車が追いかけてくるし… 薄かったけどカーブにありがちなカマボコもあって段差に弱い606号は早くもアップアップ。 なんとか追い越し車線が終るまでにoceanさんの後ろに追いつく…というより待っててくれました。 この時点で606は30のダメージを受けた。

 それからは平和なスピードで綺麗な道を流し、壮大な景色を楽しみました。 と! 突然oceanさんが凄く細い道に入り込み、「うひゃ〜今度はまたデンジャラスな農道に入ったなぁ!」と思ったら左端に停車。 なんだろう?と606号から降りて振り返ってみると…『絶景!!』 思わずカッターナイフで切って持ち帰りたくなるくらい緑と抹茶色と青の『青柳ういろう』みたいな景色が視野いっぱいに広がってる。 自分の目を切り替える事ができたのならパノラマモードにしたいくらいだった。 湯布院を見下ろせるこの場所はパラグライダーのカタパルトにもなってる。 高所恐怖症の606は下半身が縮み上がる事も忘れて景色をカメラに収めまくりました。 「こんな景色見たことない!」と世界の中心で叫びたかった。

 登ってきた道を下り、いつの間にか湯布院を走り去り… 水分峠から『やまなみハイウェイ』へと進みました。 途中で「好きなペースで前を走ってください」と言われて超不安。 地図を開いてコンコンと説明を受けて606号先頭でスタート。 直ぐに道を間違え大迷惑&大ひんしゅく。 笑って許してくれたけど一発で方向音痴&地図音痴がバレた瞬間でした。 そこからは絶景!絶景!絶景!に加えてコースも楽しい。 空気も美味しい! オープン最高&至福の道だった。

 バリバリA型の僕は道を間違えないようにドキドキしながら… なんとかGSのあるドライブインに到着しました。
 『九州石油』というこの辺りでは聞かないGSで、感じのイイおじさんが一人で頑張っていました。 そういえば此処に来るまで何度も給油したけど何処のGSの従業員さんも感じ良かった。 思い出したけど、oceanさんが「大分・別府のガソリン単価は日本一高い」と言ってた。 高速道路のGSでハイオク1g140円の時代に、なんと大分は148円だった。 これには正直驚いた。
 給油してから近所に配る土産を買う事にしました。 何がイイかoceanさんに聞いて『馬刺し』を買う事に決定。 クール宅急便という文明の力を駆使する事により、大量に買う事ができました。 店員さんとの交渉はできるだけ関西弁を使うようにしている606は、おもいっきり値切った。 もちろん送料タダは当たり前! 消費税無しも当たり前! 関西弁を駆使したあげく…宅急便の用紙に書いた住所は愛知県。 お金を払えば三河弁に戻る606は嘘つきの常習犯なのです。

 ちょこちょこっとエンジン周りの点検をしてoceanさん先頭で出発。 後ろを走ってると気楽にのんびり走れる。 「良い天気だなぁ〜♪」と脳天気に走ってると脇道に入り、先にどうぞの合図。 「農道からは先に!」と言われてたけど…正直怖いっす! 真剣な走り屋が現れたら抜かれちゃうし… でも全開で走りたいし… コーナーの先がわからないし… 景色見たいし… やっぱりアクセル踏みたいし… いろんな事が頭をグルグル回ったけど、走り出したら無の世界。 『別府⇔阿蘇』という看板がちらほら現れて「あ〜っそっかぁ!」などと独り言をブツブツ言いながら農道を楽しみました。

 三叉路まで走るとoceanさんが前に出て助けてくれます。 のそのそ黒煙を大量に吐きながら走るトラックに追走しながら大観峰に到着。
 愛知県では本宮山スカイラインみたいな感じの所だけど、もちろん景色は全然違う。 雰囲気が昔の本宮山に似てて、バイクがたくさん集まってた。 さっきのドライブインに居たバイクも此処に来てて笑えましたよ。 駐車場にセブン2台止めて、ここからプチ登山。 僕はウエストがブカブカのGパンを穿いて来てしまったので、ズリ落ちそうで登山には不向きで不便でした。 暑かったけど心地良いなんとも言えない気持ちイイ風が吹いてて楽しく頂上まで歩き、またまた絶景に出会いました。 しかし…ここは本当に日本なのかぁ?

 牛がいっぱい草を食べていたからミルクロードなのか? まるでアルプスの少女ハイジに登場する… あ! あれはヤギか! 『ユキちゃん』という仔ヤギがハイジに登場するけど、どうしてあの仔ヤギだけが和風な名前なんだろうと不思議に思ってる606です。 まぁそれはさておき… そんなミルクロードを流して、ちょっとした峠道に入った途端、oceanさんの走りにオーラが現れた。 「どうしたんだろう?」と登りきって下りが始まって直ぐに突然左折した。 と…そこに現れたものは!!!!!

 つづく。。。
おら別府さ行くだ(九州満喫編)