…その時! 僕は『おニャン子・ザ・パニック症候群』に陥ってしまい、左折するはずの道を右折してしまった。 再び来た道を引き返す方向にハンドルを切ってしまい、慌ててUターン。 ついさっき数分前まで地図と格闘していたのに… ここから先はずっと一本道で間違えるワケが無いと自信持って胸を張り、股間を膨らませ…じゃなくて期待を膨らませて乗り込んだのに… 先週、和歌山に一緒に行かれた仲間は「またかよ!」と思った事でしょう。 和歌山の事件を知らない仲間は「大丈夫かよ?」と思った事でしょう。 そんな複雑な思いを胸に秘めて、プチテンパリながら一本道を下って行きました。 僕はその間「もう分岐道がないよーにっ!」と願いながら走ったのは、これまたA型の悲しい定め。 視界不良でドキドキしながら股間も人間も小さく縮ませて走り続けました。

 伊勢志摩スカイラインをぐんぐん下りてくると、ぐんぐん霧も晴れてきて路面も乾いてきました。 完全に雲の中から脱出したら、ほんの一瞬だったけど伊勢湾を眺める事ができた。 そのうちに『伊勢志摩スカイライン出口』のアーケード看板を見て安心しつつ、この信号交差点は「右折だっ!」と指差し確認し、後ろの車のウインカーも確認。 それでも気になって、長い信号待ちを利用し、絶倫の…じゃなくてゼンリンの地図を広げて右折で間違いない事を何度も確認しました。 
 ここまでチキチキ通信を読んで半分以上の方は『606は方向音痴だ!』と気がついた事でしょう。 
 そうです! 606は方向音痴なんです! 
 (^0^)悪かったねーっ! 和歌山向かう道を間違えたのはアトラクションでも何でも無いんだよん♪ あれも単なる方向音痴なだけ。 トイレ休憩もぜ〜んぶ僕の単なる間違えなんです〜。 これからも間違えるから覚悟してね。
 だいたい…下見してても道を間違えるくらいだからなぁ(>。<)
 
 なんとか無事に近鉄・鳥羽駅前のGSに到着。 日曜の朝にオープンしてて嬉しかったです。 ほとんどの車が給油する中で606号はレーシングスクリーンの汚れを拭き取り、リアフェンダーに張り付いた数種類の生き物の残骸を拭き取りました。 この数種類の生き物… 全く原型を留めておらず、「なんじゃこりゃあ!」って鳥羽の中心で叫びたくなる状態。 ウエットティッシュを何枚使ってもキレイに拭き取れず、高圧洗車ガンで洗浄ならぬ駆除したいくらいだった。 気持ち悪かった…ヨー ~\(>。<)/~
 
 なんとかキレイになり全車給油を済ますと、此処でまたルート設定。 GSを左折すると予定通りパールロードを走って帰路につく。 GSを右折すれば伊勢ICから帰路につく。 パールロードに向かう方向は伊勢志摩スカイラインよりも曇ってる。 ますます尾鷲に近づくルートなだけに、雨を覚悟して進む事は必至になるから、此処で帰るという方法もあった。 だが誰一人として帰ろうと発する仲間はいなかったので…パールロードを目指して出発。 とりあえずはパールロード・シーサイドライン(その名の通り海岸線)に入りました。 

 ほんのちょっと走っただけで路面が濡れ始め… さっきまで降っていた事を裏付けてました。 雨こそ降ってないけどフロントタイヤからの巻き上げで右半身が濡れ始め、意気消沈。 しかも海岸なので塩害が懸念された。 全塗装の車は洗えば済むけど、アルミ地肌のセブンはブツブツができてしまう。 かなりブルーになりながらも、よせばイイのに(懲りずに)先頭を走ってるので道路案内の看板に集中するしかなかった。 看板に集中しながらも「伊勢志摩スカイラインでの記念&集合写真が霧で上手く撮れてなかったらどうしよ? 何処か写真が撮れて何か食べれる所はないだろうか?」と考えながら走ってると… 『相差展望台』という看板を発見! だけどGSから走ってわずかだし…「また休憩かよ!」とツッコミ入れられそうだし…入ろうか通過しようか迷いながらも、フラフラ〜っと入りました。

 およよ? この展望台は10年くらい前にツーリングで来た覚えがあるぞ! と…入って直ぐに気がつき、懐かしさを感じたよ。
 早朝(まだ9時過ぎくらい)なので観光バスもまばら。 もちろん駐車場もガラガラだったので、ど真ん中に車を並べて記念撮影! それが↑の画像です。 ようやく顔が写りましたね。 朝飯も伊勢西ICを出た所のコンビニで軽くすませたので、小腹が空いた仲間は食事もできました。 さらには的矢湾の風景も堪能できたし…もちろん綺麗なトイレもあって、皆プチリフレッシュ! その時僕は的矢湾の景色も見ないで地図を見ながら「此処を出たら右折! 此処を出たら右折!…」とブツブツ呪文を唱えてました。 

 相差展望台を出て無事に右折するまで呪文を唱え続け… 間違い無く右折したら道路は乾いてました。 海岸線を走ってるにもかかわらず、あまり海は見れなかった。 白浜海水浴場の看板はあれど全く海は見れず、「全然スィ〜スァイドちゃうやん!」と助手席の女性にツッコミ入れました。(フィクションです)  もっと時間が遅く、太陽サンサンだったら水着のオネエちゃん達がわんさか歩いてるだろう白浜海岸。 ♪だ〜れも居ない海♪だった。

 信号も無い両側が森林の道をひたすら走り続けてると、突然高層マンションが現れた。 しかも賑やか! その景色はビバリーヒルズと地中海そして西尾をプラスして3で割った感じだった。 606号のBGMはビバリーヒルズ・コップのテーマソング『ヒーティーズオン(スペルが分からない)』が流れ始め気分上々! 「僕は今、的矢で一番目立ってるぜ!」と鼻高々で少し帽子を浅く被り直したら飛びそうになって焦った。 料金所で520円を払い、「ここまでのパールロードは今から本番であるパールロードの前戯みたいなもんかぁ?」と興奮してワクワクして、座ってるいるのにプチ中腰になりました。

 高層マンションの間を少し回転数上げてキャブの音と排気音を響かせちゃった♪ 「俺を見ろ〜! どうだ〜!」と、やっぱり自分はセブンに乗ると『見られサド』になる事を確信した。 題名通りにパールロードに辿り着いた! いわゆる『ノルマ』は果たした。 いったいどんな素敵な道なんだろう? 520円も取るからにはチキチキ通信200行くらいのネタにはなるはずだ! と思ったら普通の道。 分かりやすく言えば昔の猿投グリーンロードみたいな道。 ちょっと違うのは昭和の雰囲気を放ってるラブホが数件あるくらい。 そのうちに小さな看板で『パールロード終了』… な!ナンバー灯!…じゃなくて、なんだとう! 普通の道のまま終ったやん。 520円の意味も分からないまま、520円分のストレスを抱きながら今回最大の難関である志摩市内を通過する事になりました。

 雨でヒョロヒョロになった地図を開きながら、石橋を叩いて渡るように交差点をクリアして行きました。 「此処…右折だったけ?」と何度も不安になり、市内でパーティーが道に迷って遭難でもしたらパニックになるし、またバラバラになる可能性も大! 度付きサングラスを忘れてきたので交差点の名前が見えないし、道案内の緑の看板も読めない。 勘と地図を頼りに進み、最後の分かれ道で選択を誤る寸前に『道の駅 伊勢志摩』の看板を発見して難を逃れました。

 本日最終ステージの『道の駅 伊勢志摩』は道の駅らしからぬ雰囲気で、駐車スペースも少なくバス専用の駐車場を使わせていただきました。 ここに到着予定時刻は午後2時くらいだったのに… 僕らが着いたのは午前10時半。 時間の計算を見積りだけしかしてなかったけど、ここまで誤差が生じる計画もめったにないかも! 『早起きは30分の得』を『早起きは3時間の得』と訂正させていただきます。 此処では昼飯(めちゃ早い!)を食べて、お土産を買う事になってます。 とりあえず皆、朝食がいい加減だったので腹を落ち着かせるためにレストランに入りました。 目移りするくらいあるメニューで皆迷っていたけど、やっぱり新鮮な魚介類の入った海鮮ものを食べたい気持ちは『いい旅夢気分』もしくは『坂東そこ知りリサーチ』かな? 僕は『海鮮冷やし中華』をオーダーしました。 冷やし中華…そこら辺で食べれば500〜600円ぐらいが相場。 だけど此処の『海鮮冷やし中華』は1500円! まぁ、皆がオーダーした昼飯もだいたい1500円くらいだったけど… 冷やし中華で1500円は期待と不安が入り混じりましたね。 15分くらい待ってテーブルに運ばれてきたのを見て「プチゴ〜ジャス!」と思いました。 僕的には普通の海老じゃなくて伊勢エビぐらい入っててほしかったなぁ。 そしたらまた此処にツーリングで寄るのに… レストラン『道』…残念! でも美味しかったよ。 腹も減ってたっしーっ!

 昼飯食って土産屋さんを偵察に行きました。 どうしても酒のツマミを探してしまう! 平日は禁酒している606は御飯の一品を探す事に専念しました。 いろいろ迷ったあげくイカの塩辛の海老バージョン(そのまんまだけど)『海老の塩辛』を大量に購入しました。 酒のツマミにもなるけど…正直メチャ旨そうだったもん♪ (確かに旨かった) だからまた此処に寄ります。 また買います!

 腹もふくれて… 土産も買って… 絵に描いたような楽しいツーリング♪ 天気も青空が広がってきて最高! だけど車はドロドロでブル〜! 洗いたいのに洗えない〜♪   さてさて道の駅から伊勢西ICまではJPE大好き少年パパさん&ママさんのセブンに先導していただきました。 プチワインディングを気持ち良く走り、あっという間にICに到着。 そして各自マイペースで安濃SAを目指したワケなんですが… 606号は御在所SAで満タン給油してからは燃料を補給しておらず、伊勢西ICに入った頃には残り10gしかなかった。 15年もBDRに乗ってて1gで何km走れるか計算した事がなかったから少し不安。 ガス欠での墜落を恐れて100km/h走行。 軽トラに抜かれてもグーを握って我慢しました。 安濃SAまで42kmという看板を見た時は残り8gだったのでマジで焦ったけど、なんとか墜落せずに安濃SAに着きました。

 とりあえずは此処、安濃SAで解散。 燃料をウルトラ満タンに給油してから、皆でソフトクリームを食べたりしながら…午前5時の集合から此処までの労をねぎらって少しの時間くつろぎました。 そして午後1時少し前に参加者全員を見送り…606はヘルメットを被りました。 ? なぜヘルメットを被ったか! それは本日606号は一度も全開走行してなかったから! 此処から皆寄るか知らないけど、御在所SAまでキャノンボール606号として走る覚悟をした。 そして安濃SAを出ると直ぐに新型Zと楽しいプチ限界バトル(法定速度の範囲内)を繰り広げてスッキリして御在所SAに到着。 どえらい早く着いちゃった♪ 

 御在所SAからはchild7さんとJPEジョナさんの3台で家に向かいました。 そのころには朝の天気が嘘のように暑く晴れていて「ツーリングやって良かった〜♪」と思いました。 一日雨降りだったら実行を後悔していただろうけど、あの時に御在所SAで中止を宣言していたらと思うと… 結果オーライだったかな? 『雨でも楽しく遊ぶ』の図は夏だからこそ! 昨年の高山ツーリングも集中豪雨にみまわれて苦労したけど…そんな苦労したツーリングって凄く思いで深い。 何年過ぎても話しのネタになると思う。 大きな事はできないけど、ちっぽけなツーリングで良い思い出ができたら嬉しいです。 

 午前2時・3時に起床して… 雨の中集まって… 濃霧の山を登り… 雨上がりの海岸を走り… 海鮮料理を食べて… 暑く晴れ上がった午後に帰宅。 今回参加してくださった仲間が『戦友』に思えてくるのは僕だけじゃないはず。 また仲良く楽しく遊べるとイイですね! 皆さん御疲れさまでした。 ↑の画像… 午前5時に集まった頃に比べると皆、数ミリ大きくなった感じ? 冒険最高!

by606

追伸:帰宅してから90分の洗車大会。 綺麗になった606号を眺めながら飲んだビールの味は格別でした。
 
パールロードツーリング 後編