147 人生の交差点 |
最初から『任期満了で辞めます』と言えば大勢の人達に迷惑をかけなくて済んだ事なのだろう。 でも実際自分の進路を決め切れなかったのも事実。 全く勉強をせずに不合格になって「辞めるしかないなぁ♪」という『仕方なく辞める』そんな道でも良かったのかも? 自分の進路をいい加減な気持ちで考えていた自分が悪いのは確かだ。 中隊長以下大勢に迷惑&面倒かけちゃったけど… 果たして100%僕が悪いのだろうか? 20数年前に逆キレという言葉はなかった。 中隊長以下がキレたのなら、僕だってキレてやろうじゃないか! どんなに一生懸命に働いても、どんなに真面目に務めても給料は同じ。 どうせ辞めるなら一生懸命に働く意味はないし、今更給料が変わるワケでもない。 江藤のように病院のベッドで寝てるほうがマシだ! しかもこの頃の江藤は金運が凄かった。 何ヶ月も入院していたので共済組合やら個人の保険金でかなり蓄えてらしい。 仕事しないほうが稼げるのが自衛隊か? こんな理不尽な仕事は滅多にない! 一生懸命に働いて、一生懸命に働いたら働いただけの給料を得たい! 普通、ケガや入院をして休んだら収入なんてゼロだよね。 そこが根本的に違う。 家業を継ぐのが嫌だったけど、改めて家業を継ぎたい気持ちになった人生の交差点。 すんなり左折すれば自衛隊。 対向車(選べる仕事)が途切れるのを待って右折すれば、どちらでもない仕事。 僕は直進して家業を継ぐ事に迷いは無かった。 つか日増しに『さっさと辞めたい』という気持ちが強くなりました。 4年間遠回りをしたような? 『今のうちにもっと自由を満喫しよう!』という気持ちも強くなった。 当時は30万くらいで新車同様の中古が手に入ったAE86。 それを買って六甲で乗り回して大破させたり… 土曜の夜は神戸三ノ宮に繰り出して朝まで飲んだり… さすがに大阪ミナミには行かなかったけどね。 「退職する時は真っ赤なスポーツカーに乗って見送られたい!」 そんなちっぽけな夢を抱いて喜んでいた21歳だった。 by606 |