606の息抜き 其の壱百九拾五






11月7日 



606号を買って30年。

手に入れてからの10年間はプラグが燻るとかキャブセッティングがどう?とか全然考えもしなかった。

国内外の普通のオープンカーにでも乗る気分でキャブの吸気音に酔知れていただけ。

油面調整やらオーバーフローなんて知らなかったし…

キャブの蓋を開けたらジェットが4本入ってる事すら知らなかった。

サーキットで全開走行しても山道をマイペースで流しても気持ち良く走れた。



最初にキャブの洗礼を受けたのは、セントラルサーキットでの練習走行中に吹け上がらなくなった時。

3番のベンチュリーストッパーボルトが抜け落ちたのが原因。

結局その時は予備を持って無かったので、ほぼ3気筒でレースの予選と決勝を走ったワケで…

ロータス・コルティナとのバトルに終わった32歳。

MGFのカップカーにも追いつかなかったなぁ(>。<)



セントラルサーキットから帰って数日後にベンチュリーストッパーボルトが1個届いたので装着。

二度と外れて落ちないように「キュッ!」と締め付けたらキャブが「パキッ!」割れた(T。T)

それが最初のキャブ交換。

2基で10万円くらいでした。



それから5年くらい平和な日々が続いたのですが、セントラルサーキットでのレースでクラッシュ。

元々フレームが折れていた満身創痍の606号だったのでエンジンをOHしてNEWフレームに換装。

悲劇はそこから続いた。

ずーっと3番のプラグだけが激しく燻る。

その頃からやっとアイドルジェットだのメインジェットだという単語を知るわけです。

もちろん意味なんて全然分かりません(^^♪

与えられた状態で満足していたので… (^^♪

おかげでツーリングに行っても絶不調(>。<)

御近所快速でも絶不調(>。<)

そんな状態でとある標高の高い所をツーリング中、全く走れなくなってしまったので仲間に診てもらったら…

1番・2番・4番のアイドルジェットは55F8だったのに3番だけ65F8だった事が判明。

3番のアイドルアジャスタースクリューを締め込んで難を逃れる事ができましたわ。

おかげでその帰り道での宝塚渋滞も無事に通過。



65F8を55F8に交換して絶好調(^^♪

でもメカ音痴&バカなので、アイドルアジャスタースクリューを開けずに暫く走り続けてましたわ。

おかげで今度は3番だけ真っ白。



時は過ぎ…

何をやってもプラグが被って走れなくなる。

606号に乗ったら洗車の後にプラグの洗浄作業が常となった。

症状としては信号待ちの間にプラグが燻ってきてアイドリングが下がり、電圧が下がり、油圧も下がる。

これが夏で電動ファンが起動するとアイドリングは虫の息。

アクセルを煽ってないとエンジンが止まる。

帰宅後、プラグを抜くとオイルやら何やらで黒い納豆状態。

だから毎月プラグを新品に交換して乗ってましたよ。

末期は毎週交換してたほど。

じゃないと御近所快速もツーリングも出発不可能だったもん(>。<)



某ショップで毎週くらいキャブを診てもらった。

でも改善せず。

キャブの交換を勧められたので、言われるまま一縷の望みを託してDCOE9をDCOE152に交換。

全然良くならねーぞっ!

挙句の果てに年末にエンジン全バラ。

なんの根拠があってエンジン降ろして全バラにしたのか未だに謎。

結果、バラして組んだだけ。



結局そんな残念なBDRに10年以上乗り続けて、最近やったエンジンのOHで原因が分かった。

シリンダーに対してピストンがスカスカだった為に排気ポートがオイルスラッヂで塞がった状態。

それは大枚叩いて改善できたのだが、肝心のキャブ調整が疎かで走れない状態に結局陥る。

「引き取りに来て、さっさと帰る本多さんが悪い!」とショップの店主さんに叱られる。

平日の昼間に店をR2-D2に任せて出て来たので、急いで帰らなければならない事は伝えてあったのに…。

結局そこのショップで平日の午後4時くらいからキャブ調整。(アイドル調整)

1時間付き合ってもらって自分好みのフィーリングに仕上がった。(料金22000円)

ところがだ!

翌週には再び?三度?四度?プラグが被る⇒エンジンが止まるという状態。

ツーリングの最中に信号停止=エンジン停止。

さすがにこの時は心が大きな音を立てて折れましたね。



そして近所の工場で診てもらって、手を入れてもらったら甦ったワケで…

ところが暫くして燃えたワケで…

保険で新しいキャブに交換してもらったら油面調整がしてなかったワケで…

とにかく酷い燻りでプラグが失火しまくったワケで…

またガソリンが漏れて燃える恐れがあったワケで…



平和に楽しく乗り続ける為に606号貯金を使い切ってOHしたのに2年後も残念なまま。



キャブの神様に「油面が高い!」「どうして新しいキャブなのに油面調整してないの?」と叱られる。

バタフライと油面なんて調整してあって当たり前だと思っていた53歳。

キャブの神様が油面調整をしてくれているのを見てて気がついた事。

「このフロート… 煤だらけになったキャブのやん!」

僕がラジヲペンチを2本使って曲げたり伸ばしたりしてキズだらけにしたから覚えがある。



結局、油面調整は旧チキチ基地で新品フロートと新品ニードルバルブを投入して最初からヤリ直した。

何度もオーバーフローさせちゃったし、時間も費やしたけど普通に走れるようになった!気がする。



10月3日のツーリングは終始絶好調で気分上々で帰宅。

やっと落ち着いた感じ。

「暫くの間はキャブの事で悩まなくても済むなぁ♪」

「もうプラグを買い漁る日々ともお別れだな! Amazonさんお世話になりました♪」

…って思いながらキャブ調整のサイトを暇つぶしに読んでいたら、とんでもない失敗に気がつく。

『油面調整はアイドルジェットを挿したまま行う。』げなと(ー。ー);;;

あの時…

メインジェットはもちろん、アイドルジェットも抜いて油面調整しちゃったぞ!

でも調子良く走り続ける事が出来たし、気持ち良く吹け上るから気にしなくてイイかな(^^♪的な。



そして事態は悪化する。

調子の良い状態で車検に預け、引き取りに行って帰り始めた早々に被り気味。

いろいろ整備をしてもらったのでエンジンのON・OFFが激しくてプラグが汚れただけだと判断。

高速道路で被りを解消したら自宅まで気持ち良く帰れました。



その翌週、事態は更に悪化した。

「606号でコスモス畑を眺めに行こう♪」という楽しいノリで出発。

僅か200m進んだだけで半端ない被り症状でバックファイヤー連発(>。<)

速攻でUターンしてプラグを抜いて確認したらカーボンびっしり!

ここまで酷い状態は今までにないほど(@。@);;;

606号の周りは不完全燃焼の臭いが充満(T。T)

何がどうしてこうなった???



チキチキ通信・第15章始まって早々の超不具合。

またしても考え、思い悩み、仕事に集中できず、胃痛を抱え、眠れず、便秘がちの日々が続く。

悶絶絶好調から悶絶絶不調に陥っただけにショックは悶絶大きかった。



仕事が終ってから油面がSSTで計れない所まで落ちているのを確認して燃料ポンプ始動。

燃料ポンプの鼓動が落ち着いたのを確認してSSTで油面を測定。

27mmとな(>。<)

アイドルジェットを抜いて油面調整をした結果がコレか!?

だけど1週間前まで調子が良かったのに何故だろう?



11月4日、仕事が少し早く片付いたので、お店番をR2-D2に任せて油面調整を開始。

オーバーフローさせないように気をつけながら…

(燃料ホースを外して⇒トップカバーを取り外して⇒ガソリンを吸いだして⇒フロートを調整

⇒トップカバーを取り付けて⇒燃料ホースを取り付けて⇒燃料ポンプ始動⇒油面測定)

それを繰り返す事10数回。

29mm~30mmの間に調整出来ました。(たぶん)

最後の最後にオーバーフローさせちゃったけど、速攻で燃料ポンプを止めてホースを抜いたので軽傷。



早く結果が欲しいA型の定めで、チキチ基地から606号を押し出してエンジン始動。

なかなかエンジンが掛からなかったので『逝ったのか?』と不安になりましたが、嫌々エンジンが掛かった(^^♪

アクセルを煽ると黒煙吐きまくり。

アイドルアジャスタースクリューを15分絞って安定。

水温計が80℃を超えたのを確認して5000~6000回転まで何度も空吹かし。

向こう三軒両隣&裏の三軒両隣に爆音と排気ガスを15分近く見舞ってしまったわ(>。<);;;

何故かうちの親父も怒っていた(^^♪

でもまぁ10月3日のエンジン音&排気音が甦りました。

そしてチキチ基地に格納してプラグを確認したらカーボンニュートラルでpetit黒く焼けてました。



そして本日(11月7日)午前7時から試運転開始。

雨上がりで路面が湿っていたけど、キャブ調整に路面状況は関係Nothing。

雨とか雪が降ってなければイイ。

キルスイッチONと同時に燃料ポンプが動いてオーバーフロー!という最悪&心が折れる事態は回避。

アイドリング即安定でテンションアゲアゲ(^^♪

暖機運転をしててもプラグが燻る気配はNothing。

エンジンを温めながらキャブ調整用のテストコース(近所のバイパス)まで移動。

合流車線から2速全開でバイパスに上がって様子見。

先日まで1tほどの重さに感じられた606号が半分以下の重さに感じるほど軽く感じたわ(^^♪

まだバイパスが空いている時間帯なので強弱を繰り返しながらICを4区間試運転。

バイパスを下りてすぐの体育館駐車場(↑画像の場所)にてプラグを抜いて確認。

予想に反して真っ白で驚いた。

熱価6番じゃなくて7番がBESTなのかも知れない。

とりあえず先日アイドルアジャスタースクリューを15分絞ったままだったので4気筒10分開けて再びバイパスに上がる。

そろそろ道が混み始めるので今度はICを2区間走ってそのまま帰宅。

即プラグの焼け具合を確認。

4本とも老いたキツネの色に焼けていたので更に5分だけアイドルアジャスタースクリューを開けて格納。

結局のところアイドルアジャスタースクリューは関係なかったのね(^^♪



来週はまたちょっと乗ってみて、『安心』を得たいと思っています。



最後に…

僕みたいにキャブの吸気音・排気音が好き!というだけで何も知識が無い奴がキャブ車に乗ると『こうなる』という例。

30年前は本当に脳無し・知識無し・工具無しの僕でした。

キャブ自体4回も交換。

割る・漏れる・壊す・燃やす… 一通りやってきても現状この有り様です。

更なる失敗は破裂とか爆発というシナリオが残っている。

その日が訪れるまで苦労と快感をキャブから与えられて生きていこうと思っています。



606号の調子が良くなっただけでも、スッゲー息抜きになるんだなぁ(^^♪



…良い調子がいつまで続くか知らねーけどさ! @投げやり





by606