11月15日 



韮山ICから往路と同じ富士見パークウェイを走って伊豆中央道を目指します。

交通量の多かった伊豆スカイラインに比べて、往路も復路も富士見パークウェイはガラガラに空いてました。

天気は最高だし、お腹もいっぱいだし、このまま笑顔で帰れると思っていたら…

なんだか焦げ臭い(@。@);;;

この周辺に焼却場か廃棄物処理場があるのかな?

こういう体に悪そうな臭いは嫌だなぁ(-。-)



ん?



今…

ボンネットから煙が出たような??

オイルが漏れて焼けたのかな??

カーブが連続する狭い区間だったので様子を見ながら富士見パークウェイを下り続ける。

一瞬、煙が激しく立ち上がった。

うわっ! w(@。@)w  これはヤバイかも!!

何が焼けてるの?

エンジンオイル?

ミッションオイル?

煙じゃなくてLLCの蒸気?



路肩に停止したくても路肩はNothing。

なんとかして安全に停める事ができる所まで走らねば!

カーブが連続して見通しの悪い下り坂の途中では危険。

そして事態は最悪の方向に…

ボンネットからチラチラと炎が見えた(>。<);;;;;

あかん!

これは洒落にならん!

しかし停めれる所がない!

道路脇は枯葉の山だし、周りは乾燥しまくった木が鬱蒼と生えまくっている。

こんな所で車両火災なんてやらかしたら即山火事だっ! (@。@);;;;

チラチラ見えていただけの炎はアルコールランプ状態で見えるようになった。

ヤッベー!

助手席のR2-D2も「火だよっ!燃えちゃうよっ!」と大騒ぎ。



レーシングスクリーンの向こう側が今までに見た事がない状態になっている。

ありえない光景。

あんなに好きだったレーシングスクリーン越しの絵が、今は地獄絵の如く。

悪夢か?

夢なら覚めてくれ!

さっきまでは紅葉を眺めながら笑顔のタイガーマスクだったのに…。



606号を停めたくても停めれる場所が本当にない!

燃料ポンプが止まるのでキルスイッチをカットしたほうが良いのだろうか?

しかし、もし目の前のカーブを抜けた先が上り坂だったら…。

人間は、こういう状態に陥ると、最悪の状態しか想像できなくなる事が分かった。

山火事 w(@。@)w

消防車 w(@。@)w

ヘリコプターによる消火活動 w(@。@)w

警察沙汰 w(@。@)w

ニュース速報 w(@。@)w

〆は一生寝ずに働いても支払え切れない損害賠償請求 w(T。T)w

さっきまでは虎になるつもりだったのに、今の自分は大きな瞳で炎を見ているチワワ。



煙が出始めて3分、炎が出て2分ほど走り続けた時、ようやく広くて長い直線道路に辿り着いた。

速攻でキルスイッチをカット!

キルスイッチをカットした途端、自然に消えると思った炎は逆に高く立ち上がった(@。@);;;

直線道路の左端に606号を停車。

R2-D2の避難の速さにツッコミを入れてる余裕はNothing。

急いで備え付けの二酸化炭素消火器を持ってボンネットの隙間から噴射!

(バックドラフトを恐れてボンネットは開けない)

8秒しか噴射能力のない携行タイプの二酸化炭素消火器だったけど見事鎮火(^^♪

…したかと思ったら、下の方から再び炎が復活。

『確かチベット7さんが僕のと同じ二酸化炭素消火器を持っていたはず。』

最後尾だったチベット号までダッシュで消火器を取りに行く。

再びボンネットの隙間から噴射!

あかん(>。<) 意外に消えない!

チベット7さんは二酸化炭素消火器を2つ積んでいたので、僕の次に誰かが噴射してようやく鎮火。

最後の砦としてB7さんが大きなABC消火器を構えていたのが印象的だった。



100%鎮火したのを確認してからボンネットを外して中を確認。

キャブの下半分が真っ黒やん(>。<)

おおおお! プラグコードが焼けて朽ちているではないか(>。<)@

この時点で自力走行は無理と判断。

軽傷でたとえエンジンがかかったとしても恐ろしくて走れんわ!

少し落ち着いてから自動車保険の担当者さんに電話をしました。

保険屋さん 「おケガはありませんか? 今どの辺りですか?」

ケガは無いけど『今何処か?』と聞かれても韮山としか答えられない。

保険屋さん 「とにかく急いでレッカーの手配をしますので少々お待ちください。」



とりあえず大事にならずに済んだ。

煙が出始めて僅か10分足らずの事だったけど、夢中で何がなんだかイマイチ覚えていない。

みんなが助けてくれた。

励ましてくれた。

感謝の気持ちでいっぱいだったけど… 伊豆縦貫道が渋滞する前に皆を帰らせねば!

いろんな事をやらなければならないのに保険屋さんやらロードレスキューの方からの電話が頻繁にかかる。

とにかく現在地が分からず、自分のスマホで地図すら開けられないスマホ初心者(>。<)

後から分かった事だけど、音声認識で「現在地」と言えば即分かる事だった。



yasuさんがR2-D2をトイレがある所に連れて行ってくれている間に電話対応を済ませ…

yasuさんとR2-D2が戻って来たら全員帰路について頂きました。

なんにも説明無しで突然先頭をお願いしちゃったyasuさん、ごめんなさい。

カーナビが付いているSEVENがyasu号しか思い浮かばなくて…。



全機見送って現場はもの静かな空間となり、少し離れた空き地の石に座って606号を眺めていました。

【BGM】



こういう状態で保険屋さんとヤリトリするのは初めての事。

担当者の方、オペレーターの方、ロードレスキューの方… 皆さん凄く優しいのね。

現時点で急を要するのはロードサービス。

こちらは30分程で到着との事。

あ! そう言えば近所のオヤジさんに電話をするのを忘れていた!

606号の引受先は近所のオヤジさんの工場しかないから、とにかく伝えなきゃ!

って、携帯電話に何度電話しても留守(>。<)

仕方ないので自宅に電話をしたら繋がった。

606 「休みの日にすみません。 ツーリングの帰りに伊豆でキャブが燃えちゃいました。」

オヤジさん 「あははは。 そうなの? 大変だったね! ケガはぁ?」

606 「ケガは無いけど走れなくなって… ロードレスキューの手配までは完了しています。」

オヤジさん 「伊豆の何処?」

606 「韮山の山中です。」

606 「ロードレスキューの方が明日移送してくれますが、受け入れてくれますか?」

オヤジさん 「明日ね。 うん大丈夫だよ。」

とりあえず606号は整った。



さて… 此処からどうやって帰ろうか?

保険の担当者さんからは『交通費一人20000円までお支払いできます。』

『タクシーでも電車でも必ず領収書を貰ってください。』

タクシーで家まで帰れる距離じゃないし、鉄道の駅って何所にあるの?

これもスマホの音声入力で『最寄りの駅』と言えば一発で分かるのだが… 忘れている52歳。

なんとなくchild7さんにLINEを入れてみた。

宴の片付けの真っ最中だったみたいだけど電話が繋がった。

『今日は帰るから乗せてってあげるよ。』

なんとか家に帰る段取りも整った。



そうこうしているうちに積載車が現れた。

此処で切り返しを3回ぐらいすれば180度向きを変えれるのだが…

積載車のドライバーさんは「何処かでUターンして来ますね!」と言い残して通過。

僕は知っている。

この先で積載車がUターンできるような場所が全く無い事を… 僕はよーく知っている。



10分ぐらいして積載車が戻って来て積み込み作業を開始。(たぶん韮山ICまで行ったんだろうな)

フルフラットではないが、ジャパレンで606号を何度も積んだ事があるタイプなので問題Nothing。

kobaちゃんが『低床車という事をロードレスキューに伝えたほうがイイよ。』と教えてくれたのが功を奏す。

丁寧且つ慎重に積んでくれました。

「最寄りの駅まで送りますね♪」と言われたけど、最寄りのコンビニまで送って頂きました。

ロードレスキューの方 「明日の移送になりますが、もし雨だったら明後日とかに延期して大丈夫ですか?」

「こういう車は雨に濡らさないほうがイイでしょ?」と…。

あたしゃ~この一言で安心して預けられると確信。

とにかく「ありがとうございます!お願いします!」としか言えず、コンビニPで頭を深々と下げて見送りました。



コンビニPでドッ!と疲れが出た52歳。

R2-D2はまたトイレに行ってるし、飴とかも買って来てた。

二人で荷物を抱えて輪留めに腰掛けている姿は浮浪者そのもの。

child7さんを待っている間も保険屋さんとのヤリトリは続きます。

状況説明やら何やら矢継ぎ早に質問されました。

暑くて汗だくで喉カラカラで喋り難いのなんのって… すぐ横がコンビニという認識がありません。

すぐに飲み物が買える場所なのに、未だ山の中という感覚。

今思えば、魂が抜けている自分だったなぁ。



コンビニPで待つ事15分。

child7さんが迎えに来てくれました。(早っ!)

1時間ぐらい待つ覚悟だったよ。

別荘でゆっくりしてから帰る段取りだったろうに… スッゲー申し訳ない。

長泉沼津ICまでの道中、渋滞を眺めながら「みんな渋滞する前に通過できたかな?」と考えてばかり。

親父ギャグが1つも出なかった。(かな?)

秋の陽は鶴瓶おとし。



終始運転して頂いて、午後7時30分に帰宅。

『606号を洗車してチキチ基地に格納』というツーリングから帰った後の作業がない事に違和感。

「預けて来たんだ。」

「火が出ちゃったんだ。」

「大勢の仲間や、いろんな人達に迷惑かけちゃったんだ。」と自己嫌悪。

「大勢の仲間や、いろんな人達に助けられたんだ。」と痛感。



ツーリング時には滅多に使わない思考回路をfull稼働させたので脳が悲鳴を上げている。

仲間や保険屋さんに帰宅報告をしまくって、速攻で布団に入ったけど… 眠れない。

煙が出始めてからの事を思い出せば心臓が煽る。

あの時もし消火器が無かったら…

あの時もし渋滞の中だったら…

もしも自動車保険に入ってなかったら…

いろんな『あの時もしも〇〇だったら』と最悪のシナリオを想像したら全然眠れない。

不思議と606号の事は頭になかった。



翌朝は目覚ましが鳴る1時間前まで起きていた。

午前9時にロードレスキューの方からの電話で、「今から移送しますね。」と連絡が入りました。

その時間に修善寺を出たなら昼過ぎには近所のオヤジさんの工場に着ける。

出迎えに行きたかったけど、仕事でどうしても出られなかった。



午後4時に近所のオヤジさんの工場に行ったら、606号はとても綺麗な状態で佇んでました。

ぱっと見… 何事も無い状態。

ボンネットを開けてオヤジさんがいろいろ説明してくれました。

自動車保険の事も教えてくれました。

これからオヤジさんと相談しながら606号のこれからを決めていきたいと思います。



最後の【BGM】



第七小隊の皆さんには引き続き最後まで逐一mailにて報告させていただきますね。



by606






 
















































続 韮山経由 child7さん邸ツーリング