606の息抜き 其の参拾壱
 ■8月15日 (日曜日) 晴れ時々くもり所により豪雨■

 三角形(三点式)のロールバーだった頃、一枚鉄板のトランクカバーが2枚に切断されて取り付けられていました。  その時は素敵にカッコいいトランクカバーで大満足だったけど…  バードケージに交換した時にロールバーが1本増える事に伴い、トランクカバーを3枚に切断しなければなりませんでした。
 
 3枚に切断した事によって出来た2本の溝。  これが左右同じ幅じゃなかったのが原因でモチベーションというか、愛着というか…そんな些細な事で急降下。  A型なんで(>。<)


 元々トランクカバーはパールホワイトでした。  
 その2本の溝を同じ幅に見せようと思って、黒いビニールテープを貼ってみたけど…  溝が広がったように見えただけで敢無く失敗。

 またまたその2本の溝を消そうとパールホワイトのカッティングシートを細長く切って貼り付けてみたけど…微妙に色が違って、返って目立つようになり、またまた敢無く失敗。


 いろいろ工夫して、トランクカバー全面にカーボン調のカッティングシートを貼りました。  溝も上手く隠した!  この作業はアホみたいに時間がかかりましたが、それだけに出来上がりは大満足(自己満足)。
 この状態で乗り続けてきましたが…  やはり素人の仕事。  失敗した箇所や不具合のあった箇所が忘れられません。  その箇所ばかりが気になってしまう。  乗ったら見なくて済むトランクカバーだけど、いくらキャブやエンジンが絶好調でも小さく気になる部分が1つでもあるとダメな僕。  愛機に関しては異常なまでに完璧主義の僕でした。


 トランクカバーに関して諦めかけていた梅雨明けの7月18日。  ガンメタ7さんが自分で製作されたトランクカバーを愛機に付けて茶臼山に来られました。  その美しさは製作ではなく制作に値する!  まさに衝撃的&芸術的なトランクカバーでした。  もちろん一目惚れ♪  
 「本多さんのも作りましょうか?」とガンメタ7さんに言われた時は、迷わず「お願いします!」と頼んじゃいましたよ。
 「いつ作り始めれるか分からないから待っててね♪」という手作りの匂いがプンプンする嬉しい言葉を受けて帰路につきました。


 「寸法を測るから一度遊びに来てください。」という電話が入ったので、翌週の25日にshige1710さんを助手席に乗せてガンメタ7さんの工房に行きました。
 ガンメタ7さんのSEVENもケーターハムなので、同じものを作ればそれでOKだと思っていたら、何もかもが微妙に寸法が違う。
 作業は2時間ぐらいで終わりました。
 「いつ作るから(作り始めれるか)分からないから待っててね♪」という、またしても手作りの匂いプンプン状態の嬉しい言葉を受けて帰路につきました。  「早くあんな素敵なトランクカバーに交換したいなぁ。」と…夢と期待が入り混じった笑顔で待つ事に♪


 お盆休み前に塗装前のトランクカバーの画像が添付されたメールが届きました。  「とりあえず形ができたので、最終チェックをしますので暇な時に来てくださいね!」と…  おおおおおおお!ついに完成か!  開田高原ツーリングに間に合うぞ!  蕎麦をたくさん積んで帰れるぞ!  と…逸る気持ちを抑えられず、15日は伊良湖岬に行く予定を潰してガンメタ7さんの家に行く事にしました。


 微妙な天気予報でしたが、ポイント予報は晴れマークの連打だったので笑顔で午前5時半に出発。
 赤塚PAでshige1710さんにメールしたけど、ガンメタ7さんの家は覚えていたので単機で向かう事にしました。  がっ!  赤い糸のPOWERは凄いものでして…  浜松西ICの料金所を通過した時にshige1710さんが料金所の入り口車線から向かって来たので合流。  携帯電話はいつもシートの後ろなのでメールチェックできません。  でもそんな偶然が携帯電話の無かった頃の懐かしい『偶然』を楽しませてくれたのですね。


 ガンメタ7さんと約束した時間である午前7時よりも10分早く到着。
 (>。<)暑い!  まぁお盆が暑いのは分かっているけど…  半端ない暑さだ!  僕は『送り盆』が夕方からあるので、午後3時までには帰らなければならず…  ガンメタ7さんとの電話で、作業は半日かかると聞いていたので早朝からの作業開始です。  全部僕のわがままで申し訳ありません。


 まずは従来のトランクカバーを外します。  燃料給油口も外します。  シートベルトのアンカーももちろん外します。  この最初の作業だけで汗びっしょり!  12日からエアコンの効いた部屋に引きこもったり、夏を理由にビールばかり飲んで不摂生していた証ですね。


 三分割されたトランクカバーの中央から寸法合わせ。  微調整に続く微調整。  ガレージで寸法を合わせてガレージの奥にある工房で削ります。  何度もガレージと工房を行ったり来たりして少しずつ少しずつ削っては合わせての繰り返し。
 中央のトランクカバーはヒンジを付けて開くようにしてあるので、この部分が完成するまでに2時間くらいかかりました。


 次は左側のトランクカバーの微調整。  一番の難所はロールバーの付け根の加工。  これもガレージと工房を行ったり来たりして少しずつ少しずつ削っては合わせての繰り返し。  本当に気の遠くなる作業です。  削り過ぎないように…  僅かしか削らずに何度も宛がってチェックします。  そんな細かい作業のおかげで2点のロールバーは隙間無くピタっと合いました。  分かり易く書くと…パズルで最後の1枚がハマル感じ。  見ていて感動すら覚えます。


 最後に右側のトランクカバーの微調整です。  左側と対照的に同じモノを作れば出来上がると思った素人の僕。  同じようで違う事を知った時…  やっぱりSEVENって手作りなんだ!と思いました。
 更に右側は燃料給油口を取り付けなければならないので、穴を開ける位置決めからキチンと装着できるかまで点検します。  至る箇所までキレイにヤスリをかけてくれました。  


 3枚出来上がって完成ではなく…  さらに裏側の振動を抑えるための留め具を取り付けてました。  お昼近くになって暑さもピーク。  太陽が高くなって日陰も少なくなり、疲労の色が見えてきました。  shige1710さんと一緒に手伝える事は手伝いましたが…早々に暑さでダウンしたのが本音。


 トランクカバーを3枚装着してみて、僅かなズレやはみ出した部分を最終的に直して、後は塗装するのみという段階で終了。  再び606号のトランクカバーやら燃料給油口、それにシートベルトを付けて作業終了。  shige1710さんには手伝ってもらいまくりで申し訳なかったです。
 塗装が済んだら梱包して家に届く手はず。  まるでクリスマスプレゼントを待つ子供に戻った気分です。  もちろん請求書も届きますけどね(^-^)


 ガンメタ7さんとshige1710さんご夫婦の5人で昼飯を食べて、スッゲー暑い時間帯に帰路につきました。  太陽ギラギラで汗ダラダラ。
 浜松西ICでshige1710さんとお別れして高速道路に上がりました。  走っていれば涼しいです。  追い越して行く乗用車から見たら気持ち良さそうに見られてるに違いない。  実際汗が引いて気持ちいいyo~


 浜名湖SAを通過した辺りでレーシングスクリーンに艦砲射撃を喰らった。  1発、2発…  焼けた顔や腕には打ち水の如く爽やかな雨粒。
 三ケ日IC付近からは結構まとまった雨になったので、606号が濡れるのは嫌だったけど凄く涼しい雨を感じながら走り続けました。  路面が濡れなければ洗車も楽だし♪  このまま家まで雨でもいいや!と思えた夏の雨でした。


 …と、ここまではよくある話。
 トンネルを抜ける間際に、トンネルの先の景色が無い!  真っ白だ!  「こりゃスッゲー雨だぞ!」と叫びながらトンネルを抜けたら、ゴーッという唸りを上げながら激しく降る雨を喰らった。  雨粒で顔が痛いとかいうものではなく、平手打ちされてる感じ。
 路面は海。  空は真っ黒。
 激しい雨で前が見ない。  スノボ用のゴーグルも、こうなったら水中メガネ。  一瞬にして上半身ズブ濡れ。  前輪が巻き上げる雨水は今までにないくらいの高さまで上がっている。

 呼吸もできないぐらいの雨で、助手席は溺死寸前。  雨で溺れる。  あの時は僕もそうだったけど、少し高いレーシングスクリーンが助けてくれました。


 それまでに追い越した乗用車に抜かれ…  皆が笑いながら見ていく。  
 助手席でカメラを構えているのを発見したので、照れ隠しにピースしときました。  笑われてなんぼ!  悔しかったらこの豪雨の中をオープンで走ってみろや!と顔は強気の表情で、腹の中では「勘弁してくれよ〜。」と叫び、時々大笑いしながら雨雲から抜け出しました。  濡れちゃえば一緒!  


 音羽蒲郡ICを出たら雨は止んだけど、進む道はビショビショです。  あの雨雲が通過した事を証明してるようなもの。  蒲郡市内からは再び真夏の太陽が照りつけ…  濡れて冷たくて気持ちよかったTシャツが一転して、蒸れて余計に暑くなって気持ち悪くなってきた。  ニット帽が濡れて重たかったのを覚えています。  ゴーグルが肌に不快だったし…  なによりあの豪雨を知らない人から見たら、極度の汗かきにしか見えなかっただろう。


 帰宅して606号から降りたら信じられないほどキレイだったので驚きました。  洗車機より激しい水圧だったもんなぁ。  さっと濡れ雑巾で拭いて洗車完了。  
 今年の盆休みは、この15日だけしか乗らなかったです。  それなのにあの雨の野郎ときたら…容赦なしだもんなぁ♪  それもまた笑える思い出かぁ♪
by606