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貼りついたブレーキローターとブレーキパッドを離さなければ前には進めない状態。 後ろ向きでも走れない。 ハブベアリングを前後させれば簡単に剥がれてタイヤが転がると思った。 ところがそうではなかった！ ローターとパッドが焼きついてしまってる感じ。 結局ブレーキディスクごと取っ払ってバラバラにして、ローターに貼りついたパッドを取り除いた。 専用工具が無くて力が入らず回らない箇所は８０８さんの怪力で動いた。 必要な工具類はUTENさんが全部用意して持って来てくれていたけど、まさかの工具が無かったのでＢＫＭさんのＰＩＴに走って拝借。 ＢＫＭのＳ山さんからも知恵を借りての作業だった。 「本多さーん！ 替えのパッド持って来たぁ？」 （＞。＜）＠うっ！ 昨年は途中でブレーキパッドの交換をする事がなかったので持って来ていない。 つか早い話が忘れて来た。 タフなエンジンだと信用していたので補充するオイルも置いて来た脳天気な６０６。 ブレーキパッドの無い左前輪。 パッドが無いからブレーキは踏めない。 サイドブレーキを使ってスピードを落とす技を使うしかなかった。 まるでジムカーナだね。 チェッカーフラッグを受ける為だけに、たった１周すればいい。 この作戦しかなかった。 時間は８時間５０分を経過。 残り１０分！ 残り５分ぐらいでコースインすればイイのに残り１０分で１１番ＰＩＴを出た！ いくらゆっくり走っても１０分間もあったら２周しちゃうよ。 帰りの燃料を積まないで飛び立った特攻機の如く… ブレーキの無い状態で店主さんはチェッカーフラッグを受ける為だけにＰＩＴから出撃しました。 ヘルメットは鉢巻きの如く… 操縦桿に手を縛りつけるが如くサイドブレーキを握っての出撃でした。 僕達は帽子を振って送り出した。 その時近くにいたオフィシャルから聞いて分かった事。 耐久レースは上手くローリングスタートができたので、７時５５分から始まった事になり… チェッカーフラッグは１６時５５分に出されると！ 危うくチェッカーフラッグが出されてコースインできなくなるところでした。 ＲＡＣナイツミニが最終コーナーから立ち上がって来る前にチェッカーフラッグが振られた。 たくさんのマシンに囲まれて無事にチェッカーを受けた。 どのＰＩＴも爆発的な盛り上がり。 １１番ＰＩＴも皆で抱き合ったり握手してのゴールだった！ 再び最終コーナーを立ち上がって来たＲＡＣナイツミニ。 ＰＩＴロードにゆっくりと進入してきました。 否っ！ 最終コーナーのＩＮべたからＰＩＴロードにゆっくりと進入して来なければいけないのに、おもいっきりＯＵＴ側を走っているではありませんか。 店主さん… やってくれましたＷチェッカー。 ここまできたのなら１周でも１０周でもペナルティを喰らっても構わない！ 本来のチェッカーを受けた時よりも１１番ＰＩＴからは大声援！ さっきよりも盛り上がった。 サーキットＤＪさんも「ＲＡＣナイツミニ感動のゴールです！」 「屋根に書かれた『完走してなんぼ！』が輝いてみえますねーっ！」などなどガンガン叫んでくれてました。 どのＰＩＴもマシンが戻って一通りの歓喜が落ち着いてる状態の時に、ゆっくりゆっくり店主さんの運転する青いミニがＰＩＴロードを進んで来ました。 もうマシンは通らないと思ってＰＩＴロードには大勢の人が溢れていました。 そんな人の波を掻き分けてミニが１１番ＰＩＴに近づいてきます。 皆でＰＩＴ前に並んで出迎えます。 全然知らない人がミニに拍手を投げてくれていた。 笑顔で拍手をくれていた。 そして１１番ＰＩＴ前に到着したマシンを囲んでナイツ店主さんが降りたところで盛大な拍手が巻き起こりました。 僕達の拍手だけでなく１０番ＰＩＴの人達からも盛大な拍手を受けました。 通りすがりの人達も足を止めて拍手をしてくれた。 『９時間後のドラマ』 チェッカーフラッグを受ける直前から感動のドラマが始まり… そしてこの僅かな時間の中で全ての苦労が報われる。 この一瞬の為だけに皆で力を合わせて走り続け、アクシデントやハプニング…それにまつわる幾多の困難をのり越えて得た感動。 何事もなく９時間を走り終えたマシンはたぶん存在しなかったはず。 ３台くらいのマシンがリタイアしたけど、それはエンジンなどの不調・故障によるもの。 プチクラッシュは随所で見受けられたが、大きなクラッシュがなくレースは終わった。 Ｗチェッカーの１周分、盛り上がりが出遅れた１１番ＰＩＴでは店主さんの胴上げが行われた。 過去にあったレースで僕が胴上げに参加したのは初めてではなかろうか？ 胴上げは凄くやりたかった！ 誰からとも無く胴上げが始まって、店主さんが高々と宙に舞った。 ついでに僕も胴上げされました。 スッゲー嬉しかったけど… 胴上げが終わってから皆に「重てぇよ！」とか「体がベトベトやん！」と言われてショックを受けた６０６。 ノンアルコールビールやインアルコールビールで乾杯した後は速やかに撤収を始めました。 昨年みたいに西脇市内のビジネスホテルで泊まって翌朝帰路につくのではなく、これから各自乗り合わせで自宅まで帰らなければなりません。 表彰式が始まるまでにできる限り片付けたい。 来る時はナイツブリッヂさんから出発した＃１９さんの車にトレーラーを牽引して積んで来たミニ。 帰りは僕の配達号で引っ張って帰ります。 ブレーキの無いミニをトレーラーに積むのは大変でした。 サイドブレーキを引くのを忘れてブレーキ踏んで怖かったし…。 こんな車でサーキットを２周も走った店主さんは凄いと思った！ なんとか帰り支度はできたけど… 配達号の荷台は焼きそばと氷が減ったぐらいで過積載ギリギリ。 さらにミニを積んだトレーラーを牽引したから過積載バリバリ！ 心臓破りの名塩の坂を登れるだろうか？？ 宝塚渋滞も必至なので坂道発進の連続を配達号はクリアできるのだろうか？？ エアコン効かすし…。 午後１７時半ぐらいから表彰式が始まりました。 チーム：（有）ナイツブリッヂ 車名：ＲＡＣナイツミニの成績は…周回数２１４周完走。 ９時間耐久レース総合２５台中２０位。 クラス優勝！！ 一番低い排気量のクラスで優勝です。 つか…以下省略。 何年ぶりのお立ち台だろう？ 旧６０６号で３位と優勝で２回だけ上がった事があるセントラルサーキットの表彰台。 昨年はクラス２位で表彰台をゲットしたけど… 僕、片付けしてたので上がってなかったです。 久しぶりの表彰台だったし、一人しか上がれそうになかったので遠慮したのですが、「上がれ！」という命令で上がらせていただきました。 ドライバー９人と応援に来てくれた３人の計１２人が上がる事ができたら堂々と立ってトロフィー貰ったけど… お立ち台で正座してトロフィーを頂きました。 さらにいろんな副賞もたくさん頂きましたよ。 携帯電話の充電器。 エナジーパワーというドリンク。 うちわ。 結構使える副賞だったので、ドリンク以外は６０６が独り占めさせて頂きましたわ♪ トロフィーを頂いて「なにか一言どうぞ！」とサーキットＤＪさんからマイクを向けられました。 ここは一つアダムさんに英語で喜びを表現していただく事に… 『グッドティーム、グッドドライバー・・・』 最前列に座っていた女性は「英語上手いわぁ♪」と一言。 当たり前ですから。 最後の参加者全員集合写真に納まりたかったのですが、せっかちな＃１９さんが「おい♪もう帰ろうぜ♪」と。 言う事を聞かないと不機嫌になるから撤収命令。 表彰式をコッソリ抜け出して帰路につきました。 セントラルサーキット内でUTENさんと別れてからは、途中で軽く食事をしました。 高速道路で配達号は足手まといになるので、８０８さんのミニに滝野社ＩＣまで先導していただき… 電話で「８０８さん、この車は８０km/hが精一杯だから先に行ってね！」と伝えて皆と別れました。 「この前は高速道路に上がったらすぐに行っちゃったね。」と飯食いながら冗談で言ったのを気にしちゃったみたいで、なかなか先に行ってくれませんでした。 もう一回電話で先に行ってくださいと伝えたら、申し訳無さそうに消えて行く優しい８０８さん。 宝塚渋滞は１２kmでした。 完全に止まってしまう渋滞ではなく、ダラダラと進む渋滞。 このペースなら気を使わずに走れるので配達号は楽です。 渋滞を抜けた足柄ＰＡにて小休止。 なんとここで本隊と合流しちゃったから驚きました。 ＢＫＭさん一行も足柄ＰＡで小休止されてました。 「じゃあお疲れ様！ 気をつけて！」と…再度解散の挨拶。 中国自動車道⇒名神高速道路⇒新名神⇒伊勢湾岸道と一路自宅を目指しました。 吹田ＪＣＴの辺りから眠くなってきた。 新名神の暗い道では歯を食いしばって目を開けて運転。 考えてみたら午前０時から２１時過ぎまで一睡もしていなかった僕。 仮眠すらしていない。 眠眠打破を注入するも虚しいくらいの眠気。 「やっと伊勢湾岸道。」 「やっと豊明ＩＣだ！」と思ったら気が抜けたのか… 一瞬意識不明。 間違いなく数１０メートル居眠り運転しちゃった！ 路肩に引かれた凸凹の白線を踏んで目が覚めた６０６でした。 危なかったーっ！！ それからは妙に目が覚めて、午前０時に無事帰宅。 丸ごと２４時間遊んだ計算。 余った焼きそばの麺と肉やキャベツだけ下ろして… シャワーを浴びて即死。 翌朝はスッゲー暑い中でミニをトレーラーから降ろしてガレージに格納。 疲れと寝不足で、ブレーキが効かない事を忘れて怖い目見たり。 山のような荷物を一つずつ片付けて… ひと段落できるまで２時間を費やしました。 準備も大変だったけど、片付けは倍くらい大変だね！ 全部片付け終わってようやく耐久レースが終わった気になれました。 ゆっくり感動と興奮の余韻に浸りながらＢＢＳのレスをした翌日。 報告書に早く取り掛かりたかったけど、寝不足と片付けの疲れで無気力。 このまま胸にしまって報告書は無しにしちゃおうかと思ったぐらい。 画像だけで横着しちゃおうかとも…♪ だけどこうして８月２日の午前０時から翌午前０時までの物語を書き残せた事はチキチキのレース史上スッゲー感動したからです。 １８年前… 岡山Ｔ・Ｉサーキットで行われたミニの８時間耐久レースに、なにを思ったかノーマルのカントリーマンで参加したチームナイツ。 クソ暑かったレースだった事はよく覚えています。 そんなクソ暑さよりもスッゲー楽しかった事を今でも覚えている。 あの時の感動を飲みながらリアルに語り合える。 それだけ思い出深い価値の有る耐久レースだった。 その時に培った物。 それは速さや順位ではなく、『楽しさ』が一番大事だという事。 勝ちに行くチームは勝つ事が一番大事だろう。 それも楽しさの一つではあるけど、無事に完走して大笑いできればそれでＯＫなのが僕達のチーム。 もう一度あの時の感動を味わいたくて、昨年の９時間耐久レースに参戦しました。 TWINGOとの一騎打ちに破れはしたものの… 勝ち負けに関係無しに面白かった。 走る時は真剣に！ ＰＩＴでは気楽に遊んだ。 スタートから９時間後にはマシンも僕らも疲労困憊だったけど、お金では得がたい感動を受けました。 片付け終わって打ち上げ会場で盛り上がり…解散するまでの数時間は「また来年もやりましょう！」と言い合ったのを忘れません。 しかし、自営業の僕には平日（土曜日）に店を一日親に任せて遊びに行くのはとても困難な事なので、最初で最後のつもりでいました。 ２００９年の９時間耐久レースは潔く『やらない！』と決めてました。 主催者のTWO&FOURさんから今年の９時間耐久レースの案内が届いた時は、封を開けずに暫く机の上に置きっぱなし。 机の上が散らかってきたので封を開けずに破り捨てようと思った時… 何か妙な胸騒ぎを感じて開封。 開けてびっくり！ なんとチラシの表紙が僕達のチームがＰＩＴロードでサインボードを高々と上げている写真が掲載されているではありませんか！！ ＲＡＣさんのステッカーとゼッケン６７番がスッゲー目立っていましたよ。 このチラシの反響は大きく… メールや電話がたくさんきたほどでした。 そのおかげで『やらない！』と決めていた９時間耐久レースでしたが、いつの間にか『もう一度だけやってみようかな♪』という気持に変化してきました。 ６月９日の午前８時にナイツブリッヂ店主さんに電話。 「（時間が）早っ！ 何かあった？」と驚いて電話に出た店主さん。 「８月２日の９時間耐久レースに参戦するにあたって作戦を…。」と、いつしか参戦モード。 エンジンルームに手を入れずに耐久性などなどを検討。 「時間が無いね～！」と言う店主さんに無理言ってプチチューンをお願いしました。 おまけにドライバー要員としてもお願いをして、アダムさんも巻き込む事になりましたわ♪ これで３人揃った。 あと６名欲しい。 間違いなく嫌がるだろうと思った＃１９さんにお願いしてみたら、「面白そうじゃん♪ やろうよ！」となぜかノリノリ。 即４人目が決定。 △１０さん御夫婦からもＷエントリーで６人揃った！ 昨年、タイヤとホイールを提供してくれた８０８さんにお願いしてみたら、「ええですよ♪」とスケジュールの確認もせずに即答。 ７人目が決定。 チキチキＢＢＳに「また９時間耐久レースやりましょう！」と何度も書き込みしてくれたUTENさん。 誘われたら誘い返さないのは酷ですね。 ドライバーとしてお願いしてみたら快く承諾。 ８人目が決定。 あとはHage73さんのケガの具合次第。 頼んであったけど、足のケガを理由に保留状態でした。 いろいろ… 本当にいろいろ話し合った結果、足のケガが治らなかったら皆でフォローするから走れるだけ走ればいいじゃん！という事でメンツが揃いました♪ ６月２４日、いつもお世話になっているＲＡＣさんからオリジナルＴシャツをドライバー９名分と応援団用６枚の計１５枚いただきました！！ 以前からサイズ等を話し合い、キチンと体に合った大きさのＴシャツを用意してくださいました。 感謝です。 ６月２６日に現金書留に申込用紙を入れてエントリー完了（＾-＾）v 今年の開催日は大会史上初めての日曜日との事。 参加台数が多くなるのは必至ですね。 あまり台数が多いのも（抜かれるのに）忙しいから嫌だなぁ。 もしあのままTWO&FOURさんからの手紙を破り捨てていたら… こんな素敵な感動を味わえなかったはず。 いろいろ苦労をして調整＆点検してくださったナイツブリッヂ様… お揃いのユニフォームを１５名分用意してくださったり、打ち上げ用のビールをどっさり届けてくださったＲＡＣ様… なにかと助けてくださったＢＫＭの皆様… 本当にありがとうございました。 応援に来てくださった９６さん・９０９・kjさん、焼きそば作りや燃料補給ありがとうございました。 助かりました。 各方面から応援メールや応援の電話をくださった皆様方に心から感謝します。 力になりました。 （出走順/ハンドルネーム） UTENさん ＃１９さん ８０８さん △１０さん Hage73さん あだむさん △１０嫁さん 店主１１０さん お疲れさまでした。 m（_ _）m 一生忘れないどころか一生忘れられないかけがえの無い２４時間でした。 素敵な思い出です。 飲みながら語り合えるイイ思い出だね。 そしてまたいつの日か…。 ｂｙ６０６ |
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